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マイケルの読み聞かせ

去年書いた記事は「続く」となっていて、当然それの続きがあるよね~って思わせといて、そっからうんともすんとも更新がなく、やっと更新したと思ったら「全然続きじゃないじゃん!ジャネ子の話しじゃん!」ってなって、「次は必ず続きを書きます」とか言っておきながら、そっからまたもやなしのつぶてで、ようやく更新しよったわい、と思いきや、「二つ続けてプリンスかいな!」っていうね。

もはや「書く書く詐欺」だといわれても頭を垂れるしかない。
いやはや、申し訳ない。

ボウイの時もショックではあったけれど、いかんせん彼に関してはLet's Dance と「戦場のメリークリスマス」しか思い出がなかったから、正直マイケルがカルピスの原液だとして、ボウイは10,000倍に希釈されてたっつうか・・

でもプリンスはね。
彼のTwitterとかたまにタイムラインに入ってきてて、「元気でやってるな~」とか思ってたし、最近の彼はうまいぐあいに年齢を重ねてる感じで、アフロも原点回帰っぽくてレジェンドの風格漂ってるな~とか思ってたし、ピアノの弾き語りツアーとかしてて、何ていうか、彼のファンを羨ましいな~て思ってて、プリンスは楽器何でもできるミュージシャンだから、ステージを所狭しと動くパフォーマンスがなくても、ギター1本、ピアノOnlyの弾き語りスタイルでもこの先何年も現役続行できるわけで、そういう彼をファンはいつまでも見てられるんだからいーなー・・て、思ってたから。

そのショックはあたしとプリンスの薄すぎる関係の割にはとっても濃くて・・(/_;)
マイケルがカルピスの原液ならば、プリンスは、そうだなー、ちょうどいいぐらいの薄さっていうか(例えわかりずらいよねすんません)


で、肝心なマイケルのお話に戻ると。
実はこっちも、「続く」ってしたはいいけれど、いざ書く段になると、「あれ?え~と・・何を書きたかったのかな」みたいになって自分の着地点を完全に見失っていてですね。

なので、続きの雰囲気は残しつつあんまそれにこだわらない記事になると思いますw
タイトルも違うし、えへ。


あの時に書いた「ステキな動画」というのは、マイケルが子供たちに絵本を読み聞かせる短いもの。(ええ、ええ、今となってはいつの話だよっていうね、いまさらですよ~^^)
おそらく2000~2001年頃のものだと思われます。

00_2001_invincible era

一番ウケたのは、読み終わるちょっと前から、パパの言葉を聞いているのかいないのか、パリスちゃんがプリンス君に何やら文句を言って、プリンス君が、えーなにー?的なやり取りをしだします。
最後のページを読み終わったマイケルが普通に、なのか、ちょっとプチってきたのか真相はわかりませんが、ぱたん!と本を閉じるところ(笑)

あ~、風邪ひいて鼻出てしんどいところを頑張って読んでるのに、全然聞いてないんだもんな~、んもう!みたいな風にも見えるw

これを見てすぐにINVINCIBLEのプロモート的インタビューに答えた彼のお話を思い出しました。

■Michael Jackson Interview with GetMusic.com - Part 2


1:15~あたり
質問:このアルバムのレコーディング中で、最も思い出深い瞬間は?

Most memorable moments were, it was… of all my albums I would say this one was the toughest.'Cause I was hardest on myself.
Uh, I wrote so many songs, I don’t want to say the number, just to get to uh, how many are on there, 16?
Just to get to the 16 that I think are acceptable.
And, um, it’s the album where… I didn’t have children before other albums, so I caught a lot of colds; I was sick a lot.
Cause my children got. So we had to stop and start again and stop and start and… constantly.
But I enjoyed it very, very much.

最も思い出深い瞬間ね・・それについて答えるのは難しいな。僕は自分に厳しかったからね。
ものすごく沢山曲を書いたよ、数は言いたくないけど、このアルバムに入れるための、あぁ、何曲だった?16曲?
僕がアルバムに収めるのに納得できる16曲を選ぶためにね。
それに、このアルバムでは・・前のアルバムまでは僕には子どもたちがいなかったから、でもこのアルバムを作っている間、僕はよく風邪をひいてしまって、しょっちゅう寝込んでいたんだ。
子どもたちが風邪をもらってきてしまうからね。それで、僕らは作業をストップせざるを得なくて、治ったら再開して、またストップして再開してっていうのを・・しょっちゅうね。
でも楽しかったよ、本当にとっても。


あの動画はひょっとして、風邪にやられちゃっていたある日を切り取ったものなのかな?
などと想像するのも楽しかったりするよね^^

さて、マイケルが読み聞かせをしたこの本。
「My Brother Sammy」(現在タイトルはMy Brother Sammy is Special)

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実は少しデリケートなもの。
子供に読み聞かせる本としては、なかなか選べないタイプのものではないかと思います。

主人公の男の子の弟は自閉症。
魅力的なイラストと言葉で彩られた、特別な弟を持ったあるお兄ちゃんの葛藤と愛情の物語です。

では、マイケルに読んでいただきましょうね^^

・・って言っても、この動画は埋め込み禁止になってますので、ここからYoutubeへGO!

We're gonna find out what's special about his brother, There's something special about his brother. Okey?
彼の弟の何が特別なのか見つけ出そう、彼の弟には特別なものがあるんだ、いいかい?

Now Sammy sometimes get a lift to his school in the car with us and even though he still can't say my name, when I wave goodbye in a sad sort of way he waves back to me.
And sometimes we go to the park, I don't play with my friends I just lie in the green grass with Sammy instead and we watch the sunshine shimmering on the leaves of the trees and we both smile because its beautiful, in a shimmering sort of way.
And sometimes when Sammy and I are in the sandbox, I don't build castles or dig long, long tunnels.
I just sit next to Sammy and let the silky sand trickle through my fingers instead.
It feels so soft and smooth and it makes us laugh. ズズッ(鼻をすする音)
And when we feels happy in this special sort of way sometimes I think I'm lucky to have a special brother because that makes me special too.
 ぱたん!!


わたしもこの本がとても気になって、購入し読みました。
色んな意味で美しい絵本です。
この本は日本語訳がまだないようなので、せっかくですから内容をここでシェアしたいと思います。
彼が選んだ絵本の中身、知りたい人手ぇあげて~^^

・・とはいえ、もしも著作権的なクレームがどっかから来たら以下の文章は速攻消します。
はい、akimには信念もへったくれも何もありませんよ~^^

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My Brother Sammy by Becky Edwards

僕の弟のサミーは、僕と一緒のおっきなバスで学校に行かない
そのかわり、違う学校のバスが迎えに来るのを待つんだ
ママは言うんだ 「サミーは特別だからよ。みんなとは違うやり方で学ぶの」って
それが、サミーが僕の学校に来れない理由だ
でも時々、僕はちょっと悲しい感じで思うんだ
サミーが僕とおんなじバスに乗れればいいのにって

僕の弟のサミーは、公園で僕や僕の友達と一緒に遊ぶのが好きじゃない
そのかわり、緑の芝生に寝っころがって、木に茂る葉っぱにお日様の光がゆらゆらしているを見るのが好きなんだ
ママは言うんだ 「サミーは特別だからよ。みんなとは違うやり方で遊ぶのが好きなの」って
それが、サミーがひとりで寝っころがって、僕らと遊ばない理由だ
でも時々、僕はちょっと気まり悪い感じで思うんだ
サミーが僕らの遊びに加わればいいのにって

砂場にいる時、僕の弟のサミーは、僕と一緒に砂のお城を作ったり、長い長いトンネルを掘るのは好きじゃない
そのかわり、さらさらの砂をつかみあげて、その砂が指の間からこぼれ落ちるのを眺めるのが好きなんだ
ママは言うんだ 「サミーは特別だからよ」
それが、サミーが砂で遊ばないで、砂を感じるのが好きな理由だ
でも時々、僕はちょっとさみしい感じで思うんだ
サミーが僕と一緒に砂のお城を作れればいいのにって

僕の弟のサミーは、まだ僕にHelloをどう言えばいいかわからない
僕が「Hello、サミー」って言うと、彼はすぐ「Hello、サミー」って返事をする
ママは言うんだ 「サミーは特別だからよ」
それが、サミーが僕とおんなじことを言う前に、ちょっと時間がかかる理由だ
でも時々、僕はちょっといらいらした感じで思うんだ
サミーが僕の名前を言えればいいのにって

時々、特別な弟がいるのって楽じゃない

ある日、僕は僕の部屋に建てた世界一高いブロックのタワーをママに見せていたんだ
そこへ突然、僕の弟サミーが部屋に入って来て僕のタワーを倒してしまった
僕は怒ってサミーに向かって叫んだ
それから僕は泣き出してしまった
ママは僕を抱きしめてくれたけど、こう言った 「怒らないで。サミーは特別だから」
それが、タワーは積み上げるもので、叩いて壊すものじゃないということを、サミーが知らなかった理由だ
けど僕はママに言った

僕は、僕と一緒のバスで学校に行く弟が欲しいんだ
僕や友達と一緒に遊ぶ弟が欲しいんだ
僕と一緒に砂のお城を作る弟が欲しいんだ
僕の名前を言える弟が欲しいんだ
そして、タワーは積み上げるもので叩いて壊すものじゃないということを、ちゃんと知ってる弟が欲しいんだよ!

僕は特別な弟なんかいらないんだ!
I don't want a Special Brother!

突然サミーはブロックを壊すことをやめた。
そして僕を指さして僕が言った通りに言ったんだ。
「Special Brother」

ママは言った
「サミーはただあなたが言った事を真似ているんじゃないと思うわ
サミーはあなたが彼のSpecial Brotherだって言ったのよ」

僕が?サミーのSpecial Brother?

サミーと僕は、その午後ずっとブロックでタワーを作った
高い高いタワーを作って、そしてそれを一気に壊した
そんなことをくりかえして過ごしたんだ
多分、タワーっていうのは積み上げるのと同じくらい、叩いて壊すものでもあるんだ
だって、積み上げる時とは違う楽しさがあったから

※マイケルが読んだのはここから
時々、ママは僕たち二人をそれぞれの学校に車で送ってくれる
たとえ彼がまだ僕の名前を言えなくても、僕がバイバイって手を振ると、サミーはちょっと悲しげな感じで、手を振りかえしてくれるんだ

時々、僕は公園に行っても友達と遊ばない
そのかわり、サミーと一緒に芝生に寝っころがって、木に茂る葉っぱにお日様の光がゆらゆらしているのを一緒に眺めるんだ
それから僕らは一緒に微笑むんだ
ちょっとちらちら光る感じで、とてもきれいだから

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時々、サミーと一緒に砂場にいても、僕は砂でお城を作ったり長いトンネルを掘ったりしない
そのかわり、サミーの横に座って、さらさらの砂が僕の指からこぼれ落ちるままにさせるんだ
砂は柔らかくて、さらさらと落ちる様子がとても楽しい
そして僕らはちょっと特別って感じで幸せな気分になるんだ

時々、僕は、特別な弟がいてラッキーだなって思うんだ
なぜなら、そのことが僕のことも特別にしてくれるから

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これはイギリス人の絵本作家で、自閉症の子供のスペシャリストの教師でもあるベッキー・エドワードさんの絵本です。
自閉症を含む発達障害児をテーマにした優れた本に贈られる児童文学賞を2002年に受賞しています。

000_1_My brother sammy won the award

この本の背表紙には推薦の言葉として
「兄弟姉妹、教師、セラピスト、そして特別なサポートを必要とする子供を愛するすべての人の必読書」
と書かれています。

special needs 特別なサポート。

何らかのサポートを必要とする子供、というと一般的には、何らかの障害を持った子供という意味にとりがちですが、マイケルは、
障害があるなしに関わらず、ひとりひとりの子供が特別な何かを持っていて、それぞれにサポートは必要だと考えていたのではないかと思います。
だから特別、この本がそういったテーマのものだったから選んだのではないような気がします。
この本から彼が子供たちに何を伝えたかったのか。
彼がこの本から読むべきと選んだ箇所は、自閉症のサムがどれぐらいお兄ちゃんと違っているか、その違いに何かしら不満をもっていたお兄ちゃんを表した前半部などはすっ飛ばし、弟との違いを受け入れ、それを学びそれを楽しむことで、自らも成長している終盤部分でした。

公園の芝生に寝ころび、木に茂る葉っぱにお日様の光がゆらゆらしているのを眺める
砂場で砂をつかみ、さらさらと指の間からこぼれる感覚を楽しむ

このような感性をマイケルは大切にしていたように思います。
成熟した大人であり、且つ、決して子供の純粋な感性を失わないこと。

2003年にファンクラブが主宰した彼の誕生日パーティーで行われた彼のスピーチの中でも、その事について触れています。

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45th Birthday Festivity – September 3, 2003

This is a time when a person reflects on the child that will always live inside him, but more importantly, the grown man that continues to emerge intellectually, but never lost his child-like innocence.
A lot of what you'll be seeing from me in the future will celebrate the youthful imagination that has always been a part of who I am, but also the adult perspective of a father and artist and member of our community.

今こそ、或る一人の人間が、その心の中にいつも生き続けるであろう"子供"に関して深く考える時だと思います。
しかし、それ以上に重要なことには、知的であろうと努力し続ける成長した大人でありながら、決して自身の、その"子供のような無邪気さ、純粋さ"を失わなかった"或る一人の大人の男"に関して深く考える時だと思います。

これからの未来には、僕が今まで自分自身であるためにいつも自分の一部であった若々しい想像力を持ち続けると同時に、 父として、アーティストとして、我々の社会の一員として、大人としての視野を 謳歌するような僕の姿を、皆さんは頻繁に見ることになるでしょう。

※現在は閉鎖されていますが、この訳はこれしかないというぐらい素晴らしいMJ Latest News様のサイトでの訳を引用させていただきました。


こういう人ですものね。

マイケルからは色々な知的好奇心の種を頂いています。
音楽、芸術、映画、そして本。

今回もこの絵本を彼から教えてもらって、自分の何かが豊かになる気がします。



さて、彼の読み聞かせを聞いて、こんな感想を持った人はいらっしゃるでしょうか?

「あら・・案外マイケルって雑に読んでたわね・・もっとゆーっくり、やさしーく、Kidsたちの反応を確かめながら読み聞かせていると思ってたけど、わりと早口でしかも棒読みっぽ・・」

みたいな。

さあ、どうなんでしょう。

彼はこの時風邪ひいていたので、とってもしんどかったから、この1回だけついつい雑になっただけなのか?

いつもは「は~い、ふたりとも~、「ぼくのとくべつなおとうと」のごほんをよもうねぇ、いいかなぁ?いくよ~、ときどきぃ、まみーはぁ、ぼくたちをぉ」みたいに読んでいたのか?

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はい。


それはまた別のお話し(笑)


PrinceとMichael 音楽の神の寵愛を受けたふたり

時に音楽の神様はわがままな子供のようだ

目をかけ慈しむように豊潤に恩恵を与えたお気に入りは
やはり手元に置いておきたくなるらしい
どうにも待てなくなるらしい

そうしてあの日、わたしたちの大切な彼を連れて行ってしまわれた

そして今また
誰もが思いもよらないくらい急に

彼と同じ年にこの世に落とし給うたもうひとりの天才を

嵐のごとく連れ去ってしまわれた


Prince

世界はその日、彼への敬意を表すために紫に染まった

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あの日を嫌でも思い出す
彼を殿下と呼び慕い、彼の音楽を心から愛するファンたちの衝撃を
わたしたちは痛いほどよくわかる
どんなに悲しくて悔しくて心もとなくてさみしいか

ファンにとっては、愛するその人から贈られる音楽はいつも何かを与えてくれていた
生きていることの喜びだとか楽しみだとか
時にはうちひしがれている自分にひとときのやすらぎをくれたり
上手くいかないもろもろを忘れさせてくれたり
あるいは勇気だったりやる気だったり

日常を忙しくすごしている中で
街角で、ラジオから、テレビ番組のBGM
ふとした時に聞こえる大好きなイントロだったりメロディだったり
それだけでもいいことがあったと思える

アーティストから何かしらのギフトをいつももらって生きてきた
ずっと続くと思っていたもの
ずっとそばにあると信じて疑わなかったもの
それが突然になくなる
その人の創りあげる音もメロディもビートも歌声も笑顔も何もかも一瞬にして失う
そしてもう二度と新しいギフトが贈られることはない

すでにもらったものを繰り返し繰り返し
大切に大切に慈しむしかなくなる

大好きな味の大きな飴玉
ゆっくりゆっくり味わわなければならない
もっと沢山味わいたいからといって、せっかちに噛んでしまってはいけない
もう次のご褒美はないのだから

そのことがどれほど悲しいか、辛いか、虚しいか
誰に、どこにぶつければいいかわからない怒りにも似たくやしさ
そのひとが満たしてくれていた心の泉が、急激に干上がっていくような恐怖にも似たさみしさ

Princeのファンの置かれた今の状況
せつなさ、やるせなさ
それは7年前のわたしたちにも突きつけられた現実で
いやと言う程味わった感情だったから



プリンスは一時期、彼の楽曲権利や創作の自由を侵害する所属レコード会社への抗議の意味として自らの名前を封印し、レーベルから搾取されるアーティストの権利を主張する表現として、自分の顔にSLAVE(奴隷)とメイクし、自らの音楽の配信を模索し、当時としては斬新なやり方をいくつも試みました。
でもファンはもとより、彼自身も早く封印した名前を取り戻したかったのではないかと思います。
その機会は2000年にようやく訪れます。前年に件のレーベルとの一部契約が失効したのを機に、名前をprinceに戻すと宣言した彼の記者会見。


June 7th - Prince changed his name to a symbol


On Dec 31, 1999, my publishing contract with Warner expired, thus emancipating the name I was given before birth, Prince, from all long-term restrictive documents.
I will now go back to using my name instead of the symbol that I adopted as a means to free myself from all undesirable relationships.

And as long as middlemen control the means by which the consumer consumes, this will never change. The problem is not a complex one, and the solution is simple. Let the baker make the bread.
I'm a Musician, I make a music.

1999年12月31日に、ワーナーと僕の出版契約は終了しました。
従って、僕が生まれる前から与えられた名前であるPrince は、長きにわたる出版物上の制限から解放されます。
僕は、レーベルとの好ましくない関係から自分自身を解放する手段として決めたシンボルの代わりに、自分の名前を再び使うことにします。

そして、作り手と聞き手の間にいる仲介者(レーベル)が、聞き手に与える音楽をコントロールする限り、この状況は決して変わりません。 問題は複雑なものではありません。解決するのは簡単な事です。 パン屋にはパンを作らせればいいんです。
僕はミュージシャンだから、音楽を作ります。


↑の動画にはありませんが、やっぱり嬉しかったのかこんなお話もしていました。

It was interesting the other day. A friend of mine said 'So what shall I call you now?' and I said 'You can call me Prince' and it just felt good to say that again because I hadn't in so long, so I'm really curious to see what happens next.

この間面白い事があってね。友達が「君のこと、今はなんて呼べばいいんだ?」って言うから「Princeって呼んでいいよ」って言ったんだ。またこの名前を自分でも言えてとても気分がよかった。長らくそうしてなかったからね。だから、これからのことがとても楽しみだよ


マイケルのところへ出戻って彼の断片を追い求めていた時期に、この記者会見での様子を知りました。
長らく記事にすることなく自分のアーカイブに残してあったものですが、マイケルとの関わりについて最後まで多くを語らなかった彼の、マイケルへの静かなリスペクトを表現してくれた(とわたしは信じてるw)数少ない言葉をこの記者会見で残してくれていました。

記者との質疑応答の時、主題とは関係のない、全くもってくだらない質問をされるプリンス。
「仮に、あなたとマイケル・ジャクソンが殴り合いをしたらどちらが勝つでしょうね?」
本来ならば無視してもいいような質問ですが、彼はうまくかわそうとします。

Michael is not a fighter he is a lover
マイケルは博愛主義者だよ(争う人ではなく愛する人だ)


これはマイケルの Girl is mine の中でのポールとの掛け合いにある、”Paul, I think I told you. I'm a lover not a fighter” を引用してるものと思われます。
とっさにこんな答えが出るなんて、おしゃれ~^^なんですけれど、記者たちは、"he is a lover" を言葉通りに受け取らず下品にウケまくります。

薄々察しはつきますが、93年の疑惑が払しょくされぬまま、マイケルの音楽はもちろんその人間性についての評価も高くはなく、日本で言うお騒がせ芸能人扱いをされていたことは否めない。
2000年・・まだあの忌まわしい出来事が起こる前なのに。
マイケルは INVINCIBLE 制作に取りかかっていたとはいえ、公には露出が少なかった時期・・。
ここに集まっていた音楽関係者たちのマイケルに対する露骨なあざけり笑いは、当時の彼に対する風評を如実に表しているようです。

Princeは自分のいった事が違う風に捉えられ、下品な方向に持って行かれることを察したのでしょうか。
彼の顔からすっと笑みが消え、静かな口調で記者たちを諭すように話し始めます。

Can I just say something?
I’ve never really spoken publicly about Michael, but we should all just kind of like chill, because he may know something none of us really know. Just like, well.. let's wait and see. Let's wait it out, you know, just wait it out. You never know, right?
You just never know.
Ultimately, we all gotta come back home, so let's just make a home for everybody.

ちょっといいかな?
僕は公にはあまりマイケルのことを話さなかったけれど、僕ら少し落ち着かなきゃ。彼には僕らが知らない事情があるんだと思う。だから・・静観しよう。見守るのさ。ただ待つんだ。君らだって何も知らないだろう?なんにも知らないんだから。
最後には、僕らみんな家に帰らなきゃならない。だから誰にとってもそういう帰るべき場所を作ってあげないとね。


優しげで静かな口調。でもきっぱりと言ってくれたよね。

You never know, right?
You just never know.



・・・ありがたや。

何かと比べられていた二人。
何かにつけて不仲説が取り上げられていましたね。
もちろんとっても親しく付き合っていた訳ではない、それは確かだw

でも彼らはお互いに敬意を払っていたんだと思います。
お互いの表現のテリトリーを絶対侵さない程度の距離をおき、マイケルはマイケルの、プリンスはプリンスのやりたいように、自分から湧き出る音楽を追及していたんだと思います。
考え方も見せ方も方法も方向性も違うだけで、ただただ自分の創りたい音楽を、ただただ無心に追及してただけ。
その1点のみ共通していれば、同じ創造主同士として敬意を払っていてもおかしくないと思う。
わたしはプリンスの素人だけど、あれだけの膨大な数の作品を生み出せる人だから、その創作意欲がハンパないことぐらいは素人でもわかる。


そして少なくともマイケルにとってプリンスは・・
実際はわからないけれど、羨ましい存在だったかもしれません。

あんな冤罪で無駄な裁判に貴重な時間を奪われ、精神的にも肉体的にも辛い状況に置かれ、満足な曲作りも、練っていた色々なプランも、何もかもストップせざるを得ない過酷な時期・・そんな時でもプリンスは音楽シーンで活躍を続けていました。
そりゃなんだかんだあったでしょうけれど、アーティスト生命を脅かすようなスキャンダルには無縁なその人の、配信の手法や音楽の方向性にその時々では賛否はあれど、その創造性、天才性には誰もが一目を置くまさに生きるレジェンド。
次々に作品を発表し、高く評価されるその人を、羨ましいと感じていたかもしれません。

マイケルとプリンス、ふたりの影響をもろに受けて育ち、どちらも「神」として敬愛するアーティストは少なくありません。
Will.I.Am(Black Eyed Peas)もそのうちの一人。
2008年、マイケルのレコーディングを共にしていた彼がベガスのプリンスのショーに誘われます。
おりしもその日、マイケルからも連絡が入り、彼は敬愛する二人を引合すことを思いつきます。

-----------------------------

2008年に、プリンスからパームホテルのショウに一緒に出ないかって誘われたんだ。
ショウの前にマイケルに電話して言った。「ヘイ、マイク!僕は今ヴェガスだよ!」って。
僕はパームホテルでプリンスと一緒にパフォームするってことを彼に伝えて、そしてよければ来ないかって言ったんだ。
最初彼は自分が行ってもいいものかと少し心配していたから、「プリンスに問題ないか聞くよ。彼がOKって言えば大丈夫でしょ?」って言ったんだ。
で、その晩、僕はプリンスとのパフォームを終えてマイケルと一緒のテーブルにいた。
そしたらプリンスがステージから降りてきて、僕らのテーブルにやってきた。
ベースを弾きながらね!少しの間僕らの前でドゥンドゥドゥン・・てベースプレイをしてくれた!
それは今までの中でホントに最高にクールな経験だったよ!なんてったって、二人はずっと僕のヒーローだったんだから!

僕はMJの新しいアルバムの音を彼と一緒に作っていたんだけれど、その時MJが僕にこんなことを言ったんだ。
「どうして人は僕のことを、プリンスのような本格的なソングライターだと思ってくれないんだろう」
僕はこんなすごい人からそんなこと聞くなんて思いもよらなかったからびっくりしたんだ。
※2010年雑誌vibeのインタビューにて(sourceは無くなっていました)


ベースで挨拶をしたプリンス・・何だからしいなー^^

マイケルってこういうことをぽろって言える人なんですよね。
虚勢をはらないっていうか、本当に素直っていうか。
言われた方は返答に困っただろうけれど、彼の言葉はどうしても受け入れてもらえないその時の現状を如実に物語っていて切ないことこの上ないですが。

でもマイケルにとって彼は、どうやったって無視できない存在であったでしょうし、純粋に彼の音楽も好きだったんでしょう。
それを物語るオルテガの言葉です。
これももうネット上でsourceを探すことはできませんでしたが、おそらく2009年TII公開時のインタビューだと記憶しています。

It was less about competing with Prince and more about respect.
Michael felt God was going to give ideas to the next deserving artist who he felt was Prince.
That’s a true respect, true admiration for Prince.
He mentioned several times how he loved the song “Purple Rain.”

プリンスに対しては競い合うというより、敬意を払っていたよ。
マイケルは、神が素晴らしいアイデアを与えて下さるにふさわしいアーティストは、自分でなければそれはプリンスだって思っていたからね。
それはプリンスに対する本物の敬意、本物の賞賛なんだよ。
彼は何度も言っていた。自分がプリンスの曲、Purple Rainをどれだけ好きかってことをね。




素晴らしいアイデアは選ばれし者だけに贈られる
そうした音楽の神の寵愛をこのふたりはともに受けて
ともに時代を変え、音楽の常識を変え、国境も人種も性別も超えて
多くの人に影響を与え、そのDNAは、彼らが敬愛し尊敬し影響を受けた先人たちと同じように、今のアーティストに脈々と引き継がれ、今の時代の音楽のそこかしこに息づいている
そのエッセンスは、今のアーティストのパフォーマンスの基礎を作っている

だからこそ神はもうふたりの役目が終わったと考えたのだろうか
そんなのは神様の勝手な考えでしかないけれど
大切な人を取り上げられた側としては納得なんてできやしないけど


それでも受け入れるしかないのなら



いまごろ


プリンスは自分の小さな息子にあっただろうか
その手に抱いてkissをしただろうか

マイケルにも会っただろうか
また言葉を交わさずギターで挨拶しただろうか

シャイなふたりはお互いに目を合わさず

でも彼のギターの音に合わせてマイケルはメロディを口ずさんで・・


それがPurple Rainであればいいなと思う

Purple-Rain.jpg


I never meant to cause you any sorrow
I never meant to cause you any pain
I only wanted to one time to see you laughing
I only wanted to see you
Laughing in the purple rain

Purple rain, purple rain
Purple rain, purple rain
Purple rain, purple rain
I only wanted to see you
Bathing in the purple rain

きみを悲しませたり
痛みを与えたりするつもりはなかった
ただ一度だけ君の笑顔を見たかっただけ
紫の雨の中で笑っている君を
紫の雨にうたれる君を
ただ見たかっただけなんだ


R.I.P. Prince

あの時マイケルをかばってくれてありがとう


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gonpee2008

Author:gonpee2008
名前はakim
家族は主人と猫のゴン&ピー
いたってノーマル・・だけどMJバカw

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