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Pray for him

先月、2月22日にある国際的な音楽祭が行われました。

Vina Del Mar International Song Festival

ビーニャ・デル・マールとは南米チリのリゾート地で、「海辺のワイン」という日本語の意味を持つ地名です。
この地で行われた歴史ある音楽祭。
この話を書こうと思った翌日、あのチリ大地震が起こったため、タイミングを逃していました。

そして、もう古いかもしれないそのお話は、実はある意味タイムリーなお話なのかもしれないな・・と思って、今こうしてタイプし始めているわけです。

その音楽祭でパフォームした多くのアーティストの中に、Paul Anka もいました。
ご存知、「This is it」をマイケルと共作した偉大なアーティストです。
わたしの母親の世代の方のほうがきっとお詳しいのではないかなと思いますが、「ダイアナ」「マイウェイ」など数多くの代表曲は、もちろん未だに多くの人に愛されています。

「This is it」はアンカと製作していた当初は「I Never heard」という楽曲名で、アンカのアルバムにマイケルとのデュエット曲として収録する予定だったようですが、83年という年は前年にリリースされた「Thriller」のおかげで、マイケルはそれまで以上に多忙となった為、結局その話は実現することなく長らく日の目を見ることはありませんでした。
(ご承知の方も多いでしょうが、念のため。
1990年にこの曲はプエルトリコの女性歌手によって歌われることとなり、そのアルバムクレジットにはアンカとマイケルの両名の名前が記されています)

一緒に曲を作るきっかけはマイケルからだった、とアンカは語っています。
先に書きました音楽祭でのパフォームは、マイケルへのオマージュとして、本来のデュエットというスタイルで、アンカがマイケルとこの歌を歌うものでした。

その際、アンカはピアノで弾き語りながら、ある男の話をします。(ソースはこちら

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もう何年も前になるが、ある青年が僕のうちにやってきた。
彼は21才だった。そして僕と一緒に歌を作りたいと言ったんだ。
僕たちは何週間もスタジオで過ごして、アルバムの準備のために曲を書いたよ。
でも、残念なことにこのプロジェクトはうまくいかなかった。

最近、この男はあまりに悲劇的に亡くなってしまった。
関係者が彼の家に行き、引き出しの中からこの曲を見つけ出して、これは新曲だと思って興奮し、映画に使うためにその曲をリリースした。
でも、彼らはすぐにそれが新曲ではなく、僕がもうずっと昔に彼と共作したものだと気がついたんだ。
僕は彼に敬意をはらっていたし、法律上の問題などスムーズにことを運ばせたかったから、僕らが作った曲の許可を出したのさ。
その男の名前はマイケル・ジャクソン。
そしてこれが・・



Youtubeからご覧になりたい方はこちらから

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素晴らしいデュエットでした。
途中でアンカが「さぁ、マイケル、君の番だよ」とでもいうように彼の名を呼んだ途端に聴こえてきた彼の歌声・・
涙があふれて仕方がなかった。
若くて情熱に満ち溢れたマイケルと、すでに巨匠であったアンカがひざを突き合わせてお互いのアイデアを出し合い、才能を高めあった日々を、アンカもまた歌いながら思い出していたのでしょうか・・

お気づきの方もいらっしゃったでしょうが、マイケルの歌声は、すでにリリースされわたしたちが聴いているCD音源と違っています。

あの独特な息遣いがね・・
まるで本当に彼が歌っているかのようで。
アンカのステージなのに急に自分が出て行くなんて、恥ずかしがり屋の彼だから「そんなの無理だよ」といいながら、舞台の袖で、カーテンを握りながら歌っていたかのようでした・・

ふふ・・なんてね。

当時アンカのピアノを伴奏に彼が何度もリテイクしたデモのひとつ、おそらくアンカが保持していたものなのでしょうね・・



前半のアンカの歌も落ち着いたバラードに仕上げていて、彼とは違うしっとりとした趣きでよかった。
アレンジひとつで歌の表情は大きく変化します。
今回、アンカのアレンジのおかげで、この曲が本当の意味で完成されたような気がするのはわたしだけかもしれませんが、サントラとして発売された「This is it」は、やはり荒削りでアレンジもどうしても付け焼刃的な印象がぬぐえませんでした。
曲自体はとても耳ざわりのよい、素朴でストレートな恋の歌で、わたし自身大好きではあるのです。
メロディも好きだし、何度も何度も繰り返して聴きたくなる曲なのです。
彼の歌声もうっとりするというのではなく、愛おしく大切に想えます。

ただ、やはりデモということもあって単調な感じは否めず、もしもマイケルが本気でこの曲を完成させようとするならば、必ずもっと違った展開になるのではないかと思えて仕方がなかった。
本来なら完ぺき主義のマイケルが、デモの状態のものを少し手直ししただけで自分の作品としてリリースすることはありえない。
アーティストにとっては作品は自身の分身。
多くのアーティストができうる限りの力を出して最高を徹底的に追求し、とことん納得したものを出す。
マイケルは特にその想いが強い人でしたから。

だから、彼が関わらなかったあの曲は、やはりどうしてもどこかに違和感を感じてしまう・・
どこか物足りない仕上がりに思える・・

そう感じる人も出てしまうのです・・わたしのように。


だから。

もしも。



彼が残した作品をあらたに世に出すのなら。

せめて彼が細部まで関わって完成させたもの・・だけれども惜しくもアウトテイクになったもの・・にしてほしいと心から願うのです。

「BAD」のアルバムにどちらを入れるかを最後まで悩みに悩んで争った「Another Part Of Me」と「STREET WALKER」のように。


(Youtubeからご覧になりたい方はこちらから)



(Youtubeからご覧になりたい方はこちらから)

最終的にはプロデューサーであるQ(クインシー)の意見が通って「Another Part Of Me」が採用されたのですが、マイケル自身は「STREET WALKER」をあきらめたくなかったようです。
それだけ想いが強かったのでしょう、彼はこの曲の始めのコーラスのアレンジを少し変えて、92年のDANGEROUS TUORの「Smooth Criminal」の最初、そして TII での「The Way You Make Me Feel」の最初のコーラス(♪トゥル~トゥル~のところw)に使っていますよね。
そして、この曲からさらに発展させて出来上がったのが「DANGEROUS」という曲でした。

それぐらい公にリリースされていてもおかしくなかった、この「STREET WALKER」のような作品を・・。


そのような配慮を・・



もう決定権のない彼に対して、せめてもの敬意を・・




今はそれを願うだけです。

心から願うだけなのです。

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コメントの投稿

非公開コメント

素敵ですた

もう聞き入ってしまった。
アンカ自身の魅力も相まって、曲の深みがましておりますね。
サントラはあくまでメロディーラインやリズムの記録用(デモ)であって作品まで仕上がってない感じがあったのですよね。
動画の紹介、本当に嬉しかったです。
マイケルの今後の作品については、同じように願っています。

ポールアンカ、現役ばりばりですねー、
私が子供の頃からおじさんだったような!?^^
この歌は古い歌だったんですか?
ふーん。。。
歌に対する印象は一緒です、
二人のデユエットはとてもいいです、強い歌になりました。
これから出る楽曲に、大きい不安と少しだけの期待があるのですね、
いい歌が世に出てくれたらいいですけど、
今まで以上は無理としても、ある程度と思う気持ち、
わかります、でもどうでしょうねえ。
これから出る作品は彼の歌であるかもしれませんが
彼の作品ではない、冷静に聞きましょう^^


こんにちは

いつも楽しく拝見しさていただいています。

サントラの曲は若いマイケルがキャリアアップ真っ最中、自分の未来に明るい希望を抱いて弾んでいるように聴こえました。
しかし、その後の思いもよらぬ苦難の日々、長い時間をかけてそこから立ち上がって取り組んだ「最後の挑戦」。
若い彼の声と、最後の数日間の中の円熟した彼の姿が対照的で、なんともせつなく感じました。

今回ご紹介いただいた動画は、ポールアンカの愛を感じました。
マイケルが亡くなって突然声高にマイケルを賛美する人たちと違い、
マイケルと一緒に作ったこの曲と、マイケルとの思い出を大事にしてくれている人なのかな・・・と。
素敵なおじ様ですね(^^)
またいっぱい泣いてしまいました。
どうもありがとうございました。

(私も最初はakimさんと同じで、許せなくて不安と憤り家族への不信感などがドロドロ渦巻きました。でも今は、前に進むしかないんだと思うようにしています。(そうでなければやっていけないから) ただ、どんな仕上がりなのか不安は尽きません。彼の音楽への情熱に副う作品になってくれればと願って止みません。)

この曲が映画に使われる経緯はそういう事だったのですね。
彼の本意ではなかったかもしれないけれど、この曲が発見され映画のタイトル名が付けられ、エンディングに使われた事は偶然ではなく必然であったと思いたい私です。
それ位ぴったりでしたから・・・
天国から彼がそうなる様向けていたような・・・
・・・勝手な思いですよね。

デュエット・・・やっぱり彼の歌声が聞こえた途端号泣でした。
でもとっても素敵でした。
akimさんいつも素晴らしいアップをありがとう。

ニコ吉さん

ニコ吉さんもTII 同じようなこと書いてましたね。
そうそう。作品という所まで到達できていないように思うんですよね。
同じときにわりとよくかぶるって言うのは、アンテナのベクトルが似てるって
事ですかね、やっぱりww
このデュエットは本当に胸ががアツくなりますね。
やはりアンカは聴かせますねぇ。

やっちさん

作品として彼が完成させたものだけど、惜しくもアルバムには入らなかったという
クオリティならば、彼の信念に沿ったものという気がします。
関わるプロデューサーは重要になってきますが、もう誰になったとしても・・。
仰るとおり今後出てくるもので、既存のアルバムのアウトテイクとして
完成されたもの以外は、もう彼の作品とは呼べませんね。
最近ファンになられて1曲でも純粋に彼の歌声だけ聴きたい人にとっては
朗報なんだと思いますし、そういう人たちを批判する気は毛頭ありませんし。
単なる自分だけの勝手な意見だとは思っていますw

ちっちさん

お越しくださいましてありがとうございます。
Movieのエンドロールでこの曲が流れると、わたしもちっちさんと同じような気持ちになります。
この曲を歌った彼から、最後に手を広げて天を仰ぐ彼との間に流れた、長い時間・・。
恐ろしくひどい経験、屈辱と悲しみ、怒りや虚無を感じただろう時間、そして喜びと希望、慈しみと誇り、命に代えても守りたい宝物を手に入れた幸せを感じた時間、そのふたつが入れ替わり立ち代り彼にまとっていたのだろうと。
それを思うと胸が張り裂けそうで泣くのをこらえることができないのですね。
あなたもわたしも・・そして多くの人が。
だからこそ単純に彼が歌っているならなんでも嬉しいとはいえないのですよね。
でも仰るとおり・・強くならないと。前を向かないとね。
彼はおそらく怒りや憎しみにとらわれて動けないファンを見たら心を痛めるでしょうから・・ね。

kaoriさん

こちらこそ、いつもわたしに労わりの言葉をかけてくださってありがとうございます。とても嬉しく思っています。

どういう経緯かはわかりませんが、アンカとのデモ音源を自分でも保持した彼が、題名を「I Never Heard」から「This is it」に変えていたようですね。
だからSONY側がこのタイトルの曲を見つけた時興奮したはずですよね。
まぁ、83年当時すでにこの曲の存在は一部ファンの間では知られていたようですけれど。
もしも彼がもう80を超えていておだやかな晩年を過ごした末の訃報であったら、わたしたちも懐かしく微笑みながら受け入れられたと思います。
そのような幸せな晩年を送っていい人でしたものね・・
じゅうぶん彼は与えてくれた・・最後はご自分が沢山与えられて満たされて旅立って欲しかったんですよね。
でもそうであったとしても彼は・・きっと最後まで与えられるよりも与えることを望んだかもしれませんけれど・・ね・・
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gonpee2008

Author:gonpee2008
名前はakim
家族は主人と猫のゴン&ピー
いたってノーマル・・だけどMJバカw

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