Michael's sizzle
マイケルとみのもんたに共通するところ。
それは「ため」w
とにかく彼は静と動を自在にコントロールし、いわゆる「間」を上手く使う天才。
ステージのトースターから飛び出して、みのもびっくりの長い時間微動だにせず立ち尽くすDANGEROUS Tuorのオープニング。
あそこに立っているのは本当のマイケル?
ひょっとして人形?
ファンはわかっているけれど、不安になってもくる。
期待と不安が入り混じる妙な緊張状態が最高潮に達したところで、彼はゆっくりとサングラスをはずす。
やっぱりマイケルよ!!
はい、これでつかみはOKw
宇宙ステーションからスタジアムまでのライブ中継を流され、今まさにステージに不時着したロケットから出てきてくれるのがマイケルだとわかっていても、なかなか出てきてくれない。
やっとでてきたと思っても、フルフェイスのメットをなかなかはずさずに、またもや微動だにしないHIStory Tourのオープニング。
膨れ上がる期待と早まる鼓動でやきもきさせられる観客には甘い我慢を強いる演出。
間違いなくSですね。
ドSですw
美味しい食事を目の前に置かれながら、「待て」と言われた子犬のような心境になるといいますか、いやそれよりももう少し複雑な心境。
早く動いて!早く歌って!早く踊って!声を聞かせて!と飛び出したくなるのだけど、頭のどこかで彼が動き出したら、踊りだしたら、歌いだしたら、この素晴らしい幸せな瞬間はすぐに過ぎ去っていってしまう、だからまだそのままでいて欲しい、時が止まったかのようなこの奇妙な静寂(間)はそんな矛盾した気持ちにもさせる・・
ああ、その時はすでにすっかりマイケルの魔法にしてやられているのです。
わたしが好きなのはHistory TuorからのBillie Jeanの演出。
特に30thアニバーサリーが好きです。
(おそらくTIIでも同じ演出予定だったのでしょうね。衣装を全てつけたらスポットライトの合図をするといってましたから)
Tシャツ1枚の彼が古びた小さなスーツケースを持ってとぼとぼとやってくる。
どこか所在無げに、前方に当たるスポットライトの意味もわからず、観客の声援に戸惑っている風。
みんなはどうして僕なんかに騒いでいるのかなぁ・・
僕はこのとおり平凡な男だよ・・何を期待しているの?・・
ふぅ・・とため息をついてケースの中に入っているスパンコールの黒いジャケットをちらり。
声援がひときわ大きくなる中、ちょっとはおってみました的マイケル。
少しだけ変則的なムーンウォークをしてみるのだけど、うーん、なんとなくしっくりこない。
頭をちょっとかいて、やっぱりまだこれだけじゃダメだ・・とでも言いたげな様子。
次に取り出したのは黒いフェドラ帽。
斜めにかぶる。
じわじわと彼が平凡な男性から魔術師へと変わっていく。
そして最後に片方だけの手袋・・そう。例のあの光り輝く彼の手袋。
取り出して観客に良く見えるようにしばらく持ったままの彼。
観客はもう興奮のるつぼ。
早く早くマイケル!それをはめて!!
彼はゆっくりと手袋をはめ、手を後ろに回して手首だけ左右に動かしたり、指先だけをちらちらと動かしたり。
真っ暗なステージの彼にだけに当たるライトが、手袋のラインストーンに反射して指先だけでもまぶしい。
これでどうかな?僕はみんなの期待にこたえられそう?
もちろんよ!この世界でその手袋がふさわしいのはあなただけ!
その瞬間、もう自信なさげな青年はどこにもいない。
全てをコントロールする魔術師は、自由にスポットライトを意のままにあやつり、そして。
じらされているうちに、見る側の期待と興奮は天井知らずに高まっていく。
マイケルの凄いところは、わざとそのようにじらして、あるいはタイミングをはかって、最高潮に高まる観客の期待を決して裏切らず、それどころか期待以上のパフォーマンスを見せることができる人だということ。
これは生半可な人がやると、恐ろしくリスキーなこと。
なぜなら「じらされる」観客の期待は容赦ないから。
マイケルはそれこそ望むところで、容赦ない期待をはるか上回る驚きを用意するのが好きだった。
彼自身も早く歌いたい、踊りたい、という高揚感がどんどん膨らんでいるのだろうけれど、あえてそれらの爆発寸前の奇妙な静寂を楽しんでいるように「間」をとるのです。
それが爆発したときのエネルギーがどれだけ素晴らしいパフォーマンスに変化するかを良く知っていたのでしょう。
スピーディーに早いビートで押し進むだけではなく、絶妙な「間」をうまく「動」の中に挟みこむ。
そのあたりをいかに彼が重要だと考えていたかは、TIIでスタッフとのやり取りの随所に現われていましたよね。
「Sizzle」もしくは「Simmer」という言葉で指示を出していました。
もっと余韻をもたせるとか間をおくとかと訳されていましたね。
音楽監督マイケル・ベアデンとのやり取りは、過去にも書きましたが本当に大好きなシーンです。
Just bathe in the moonlight. You have to let it shimmer a bit, you know?
ちょうど月の光を浴びて、すこしかすかに輝く感じ・・わかる?
映画では静寂が染み渡るという訳です。
どちらにしてもしんとした静かな「間」をイメージさせますよね。
ケニー・オルテガもインタビューの中でこんな事を。(ソース)
彼はよくこう言った。
「僕を見て。フライングはなしだ。僕がリードするから。僕は今、sizzle中だ。sizzleさせて。」
だから僕らは、「OK、OK、みんな、マイケルにsizzleさせて」。
彼が言いたいことは
「この瞬間をしっかり使いたい。肩をゆすったり、あっちこっちをみたりして、自分の時間をとりたい」っていうことなんだ。
彼はタイミングをはかる達人だったからね。
-----------------------------------
Smooth Criminalでも動き出さないマイケルに、ケニーが「今のがキューなんだけど何か思い違いしてるかな?」と確認した時、マイケルは「I'm sizzling 間をとってたんだよ」と答え、「And then when he gets my cue, then we go.(バンドに対して)僕が出したキューではじめる」と。
ケニーはその後「All right. Now this is all sizzle, sizzle, sizzle. わかった。今はSizzle中だね」と言ってます。
彼にとって、ステージの流れにSizzleは欠かせない要素だったのですね。
そしてTII Movie、エンドロールの最後の最後。
彼はHuman Natureの歌の途中、♪Reaching out と歌ったあと、お得意のSizzleに入ります。
There should be a break there. Have it right there, okay?
Let me bathe in my own time when I come back in.
I'm gonna button my shirt or my jacket or whatever it is.
I'm gonna look around a little bit, play with them.
Snap my fingers maybe, then bam!
ここでブレークをとろう。ここだよ、OK?
曲に戻るまで自分の時間に浸らせて。
シャツのボタンを・・ジャケットでも何でもいいけど。
少しみんなを見回して・・みんなをじらして・・
(指を鳴らしながら)
指も鳴らしたりして・・で、BAM!
彼のSizzleは長い。
ひょっとして今もSizzle中なのかも
今頃ジャケットのボタンをかけたりはずしたり・・
サングラスもかけてははずして
あちらこちらを見回したり・・ああそう、手袋をつけようかどうしようかなんてことも
ちょっと踊りかけては・・頭を掻きながらまた座ったりして・・
自分のSizzleを楽しんでいるのかもしれないな。
いつか、いつの日にか
あなたの座っている場所へ、あたし行くから
その時は長い長いSizzleを終えて、BAM!といこうよ、マイキー!
それは「ため」w
とにかく彼は静と動を自在にコントロールし、いわゆる「間」を上手く使う天才。
ステージのトースターから飛び出して、みのもびっくりの長い時間微動だにせず立ち尽くすDANGEROUS Tuorのオープニング。
あそこに立っているのは本当のマイケル?
ひょっとして人形?
ファンはわかっているけれど、不安になってもくる。
期待と不安が入り混じる妙な緊張状態が最高潮に達したところで、彼はゆっくりとサングラスをはずす。
やっぱりマイケルよ!!
はい、これでつかみはOKw
宇宙ステーションからスタジアムまでのライブ中継を流され、今まさにステージに不時着したロケットから出てきてくれるのがマイケルだとわかっていても、なかなか出てきてくれない。
やっとでてきたと思っても、フルフェイスのメットをなかなかはずさずに、またもや微動だにしないHIStory Tourのオープニング。
膨れ上がる期待と早まる鼓動でやきもきさせられる観客には甘い我慢を強いる演出。
間違いなくSですね。
ドSですw
美味しい食事を目の前に置かれながら、「待て」と言われた子犬のような心境になるといいますか、いやそれよりももう少し複雑な心境。
早く動いて!早く歌って!早く踊って!声を聞かせて!と飛び出したくなるのだけど、頭のどこかで彼が動き出したら、踊りだしたら、歌いだしたら、この素晴らしい幸せな瞬間はすぐに過ぎ去っていってしまう、だからまだそのままでいて欲しい、時が止まったかのようなこの奇妙な静寂(間)はそんな矛盾した気持ちにもさせる・・
ああ、その時はすでにすっかりマイケルの魔法にしてやられているのです。
わたしが好きなのはHistory TuorからのBillie Jeanの演出。
特に30thアニバーサリーが好きです。
(おそらくTIIでも同じ演出予定だったのでしょうね。衣装を全てつけたらスポットライトの合図をするといってましたから)
Tシャツ1枚の彼が古びた小さなスーツケースを持ってとぼとぼとやってくる。
どこか所在無げに、前方に当たるスポットライトの意味もわからず、観客の声援に戸惑っている風。
みんなはどうして僕なんかに騒いでいるのかなぁ・・
僕はこのとおり平凡な男だよ・・何を期待しているの?・・
ふぅ・・とため息をついてケースの中に入っているスパンコールの黒いジャケットをちらり。
声援がひときわ大きくなる中、ちょっとはおってみました的マイケル。
少しだけ変則的なムーンウォークをしてみるのだけど、うーん、なんとなくしっくりこない。
頭をちょっとかいて、やっぱりまだこれだけじゃダメだ・・とでも言いたげな様子。
次に取り出したのは黒いフェドラ帽。
斜めにかぶる。
じわじわと彼が平凡な男性から魔術師へと変わっていく。
そして最後に片方だけの手袋・・そう。例のあの光り輝く彼の手袋。
取り出して観客に良く見えるようにしばらく持ったままの彼。
観客はもう興奮のるつぼ。
早く早くマイケル!それをはめて!!
彼はゆっくりと手袋をはめ、手を後ろに回して手首だけ左右に動かしたり、指先だけをちらちらと動かしたり。
真っ暗なステージの彼にだけに当たるライトが、手袋のラインストーンに反射して指先だけでもまぶしい。
これでどうかな?僕はみんなの期待にこたえられそう?
もちろんよ!この世界でその手袋がふさわしいのはあなただけ!
その瞬間、もう自信なさげな青年はどこにもいない。
全てをコントロールする魔術師は、自由にスポットライトを意のままにあやつり、そして。
じらされているうちに、見る側の期待と興奮は天井知らずに高まっていく。
マイケルの凄いところは、わざとそのようにじらして、あるいはタイミングをはかって、最高潮に高まる観客の期待を決して裏切らず、それどころか期待以上のパフォーマンスを見せることができる人だということ。
これは生半可な人がやると、恐ろしくリスキーなこと。
なぜなら「じらされる」観客の期待は容赦ないから。
マイケルはそれこそ望むところで、容赦ない期待をはるか上回る驚きを用意するのが好きだった。
彼自身も早く歌いたい、踊りたい、という高揚感がどんどん膨らんでいるのだろうけれど、あえてそれらの爆発寸前の奇妙な静寂を楽しんでいるように「間」をとるのです。
それが爆発したときのエネルギーがどれだけ素晴らしいパフォーマンスに変化するかを良く知っていたのでしょう。
スピーディーに早いビートで押し進むだけではなく、絶妙な「間」をうまく「動」の中に挟みこむ。
そのあたりをいかに彼が重要だと考えていたかは、TIIでスタッフとのやり取りの随所に現われていましたよね。
「Sizzle」もしくは「Simmer」という言葉で指示を出していました。
もっと余韻をもたせるとか間をおくとかと訳されていましたね。
音楽監督マイケル・ベアデンとのやり取りは、過去にも書きましたが本当に大好きなシーンです。
Just bathe in the moonlight. You have to let it shimmer a bit, you know?
ちょうど月の光を浴びて、すこしかすかに輝く感じ・・わかる?
映画では静寂が染み渡るという訳です。
どちらにしてもしんとした静かな「間」をイメージさせますよね。
ケニー・オルテガもインタビューの中でこんな事を。(ソース)
彼はよくこう言った。
「僕を見て。フライングはなしだ。僕がリードするから。僕は今、sizzle中だ。sizzleさせて。」
だから僕らは、「OK、OK、みんな、マイケルにsizzleさせて」。
彼が言いたいことは
「この瞬間をしっかり使いたい。肩をゆすったり、あっちこっちをみたりして、自分の時間をとりたい」っていうことなんだ。
彼はタイミングをはかる達人だったからね。
-----------------------------------
Smooth Criminalでも動き出さないマイケルに、ケニーが「今のがキューなんだけど何か思い違いしてるかな?」と確認した時、マイケルは「I'm sizzling 間をとってたんだよ」と答え、「And then when he gets my cue, then we go.(バンドに対して)僕が出したキューではじめる」と。
ケニーはその後「All right. Now this is all sizzle, sizzle, sizzle. わかった。今はSizzle中だね」と言ってます。
彼にとって、ステージの流れにSizzleは欠かせない要素だったのですね。
そしてTII Movie、エンドロールの最後の最後。
彼はHuman Natureの歌の途中、♪Reaching out と歌ったあと、お得意のSizzleに入ります。
There should be a break there. Have it right there, okay?
Let me bathe in my own time when I come back in.
I'm gonna button my shirt or my jacket or whatever it is.
I'm gonna look around a little bit, play with them.
Snap my fingers maybe, then bam!
ここでブレークをとろう。ここだよ、OK?
曲に戻るまで自分の時間に浸らせて。
シャツのボタンを・・ジャケットでも何でもいいけど。
少しみんなを見回して・・みんなをじらして・・
(指を鳴らしながら)
指も鳴らしたりして・・で、BAM!
彼のSizzleは長い。
ひょっとして今もSizzle中なのかも
今頃ジャケットのボタンをかけたりはずしたり・・
サングラスもかけてははずして
あちらこちらを見回したり・・ああそう、手袋をつけようかどうしようかなんてことも
ちょっと踊りかけては・・頭を掻きながらまた座ったりして・・
自分のSizzleを楽しんでいるのかもしれないな。
いつか、いつの日にか
あなたの座っている場所へ、あたし行くから
その時は長い長いSizzleを終えて、BAM!といこうよ、マイキー!