Michael と Steve Jobs その2
マイケルはこの年(1984年)から4年後の1988年に出版された彼の著書「MOON WALKER」で自分の「強さ」をこのように書いています。
公平に扱ってもらえないでいると、時に人間と言うものは強く決然となれるのです。
奴隷制はおぞましい制度でしたが、アメリカの黒人がその抑圧的制度から逃れた時、彼らは前よりずっと逞しくなっていました。
彼らは自分の生活を支配している人間から精神的暴力を受けることがどういうことなのか知っていたからこそ、二度とそんなことを起こそうとしなかったのです。
僕はそういう強さに憧れます。
そうした力を持っている人間は、立ち上がって、信じていることに血と魂を注ぎ込む事ができるのです。
ここに書かれている彼の言葉が、まさに80年の屈辱を力に変えて84年に見事に結果を出した「公平に扱われない人間の決然とした強さ」を物語っていると思います。
彼は内に秘めたその強さを掲げ、常に有言実行の人であり、絶対にあきらめない人であり、そのためには努力を惜しまない人でした。

2003年マイケルは親友の映画監督ブレット・ラトナーとフロリダでバカンスを過ごし、その際知人の経営するスーパーマーケットを貸切して、人生初めての「自由に一人で誰にも遠慮せずにお買い物」をしました。
その時の様子はわたしの大好きな「Private Home Movie」でも映っていますからご覧になった方も多いでしょうし、フリスビー結構へたくそというKingの意外な弱点なんかもわかって楽しいわけですが(笑)
渋滞している車の中で運転しているのがブレットで、マイケルは後部座席でノリノリ♪という場面もありましたよね^^

おそらく同じ日に録られたブレットによるマイケルへの本当にプライベートなインタビューが、マイケルの承諾を経て公開されています。(2004 Interview Magazin)
このインタビューでは、マイケルが気の置けない友人相手にサービスしなくていいからか、びっくりするほど滑舌悪くもしゃもしゃ話すところが個人的に萌えます♪そのやる気のなさそうな滑舌の悪いぼそぼそした話し方の彼が、普段のマイケルなんだと思うと愛しすぎます^^
それ以上に内容がとても濃く本当に興味深くて、「ああ、だからか」とか「やっぱりそうなのか」とか合点のいくところも満載で・・て、その話をしだすと今回の流れから大幅に逸脱し戻って来れそうにありませんので、今回は唇をかんで見送りますw
ですが、いずれ近いうちに絶対お話ししたいと思ってます。(おっと、いつになるかは言えないなGirl^^)
Youtubeでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、ブレットがサイト上で当時の記事の一部ををUPしてくれていますので、そこから引用しますね。
Youtubeでご覧になる方はこちらからどうぞ。マイケルが下記の言葉を話すのは、2:32~3:51の部分です。^^
------------------------------
ブレット:じゃあ、音楽ビジネスでブレイクしたい誰かのために、助言をいくつか挙げてくれない?
MJ: Believe in yourself. Study the greats and become greater. And be a scientist. Dissect. Dissect.
自分を信じることだね。偉大なことを勉強して、さらに偉大になること。そして科学者であること。分析だね、細かく分析するんだよ
※この言葉も若い頃から言っていますよね^^過去記事
ブレット:君は前にこうも言ったね。あきらめないことって。
MJ: No matter what. I don't care if the whole world is against you or teasing you or saying you're not gonna make it. Believe in yourself. No matter what.
Some of the greatest men who have made their mark on this world were treated like that--you know, "You're not gonna do it,you're not gonna get anywhere."
They laughed at the Wright brothers. They laughed at Thomas Edison. They laughed at Walt Disney. They made jokes about Henry Ford. They said he was ignorant. Disney dropped out of school.
That's how far they went.
These men shaped and changed our culture, our customs, the way we live, the way we do things.
たとえ何があろうとね。もし世界中が僕に反対しても、からかわれても、そんなことはできっこないと言われても僕は気にしない。自分を信じるんだ。たとえ何があろうと。
この世界に足跡を残してきた偉大な人物たちの何人かは、こんな風に扱われていた・・君も知っての通り、「何もできっこない。何も得られるわけない」って。
彼らはライト兄弟を笑った。トーマスエジソンを笑った。ウォルトディズニーを笑った。ヘンリーフォードをジョークのネタにもしたのさ、彼のことを無知だって言って。ディズニーは学校を中退した。
そうやって彼らははるか向こうへ行ったんだ。
こういう人たちが僕らの文化や習慣、生き方、物事のやり方を形作って、そして変えていったんだよ。

ここでも変わらない彼の信条が垣間見れます。
彼のこの「何があろうと何を言われようと絶対にあきらめない」という姿勢は、若い頃から終始変わらないわけですが、世の中の天才といわれる人はこの信念というものが共通していますよね。もちろんジョブズ氏も例に漏れず。
彼は2001年日本で収録されたNHK「クローズアップ現代」でのインタビューで同じことを語っています。
「夢を実現できるか否かは途中であきらめるかどうかにかかっています。必要なのは強い情熱なのです」
ジョブズ氏の訃報が流れた日、マイケルのボディガード(Bill Whitfield, Javon Beard)がFacebookと、一部Twitterにこんなメッセージを出しました。
“Not many people knew that Mr. Jackson and Steve Jobs were friends, they spoke often.
Mr Jobs sent 12 iPhones to Mr Jackson two weeks before they went on sale to the public.
Mr. Jackson gave Bill and BJ (bodyguards) iPhones for Christmas and had them personally engraved.”
ミスター・ジャクソンとスティーブ・ジョブズが友人だった事を知る人は少ない。彼らはよく話をしていた。
ジョブズ氏は、公式発売日より2週間も前に12台のiPhoneをミスター・ジャクソンに送った。
ミスター・ジャクソンは(ボディガードの)ビルとBJに、個人の刻印をつけたiPhoneをクリスマスプレゼントとしてくれたんだ。
2007年のことですね。
2006年からマイケルのボディガードを務めたBill Whitfieldが、今もたまにFacebookでファンの質問に答えています。
去年彼らの記事が出て、ひとつ気になっていた記述があったのです。(source)
マイケルは子供たちへの影響を常に心配し、買い物先で目にしたゴシップ雑誌の表紙に自分の名前が出ていると、その雑誌を裏返して子供に見られないようにしていたそうです。
いつしかその役目はボディガードの仕事となったと語っていました。
マイケルは普段は良く笑う人だったけれど、相変わらず自分に対して嘘ばかり書くマスコミにいらだった事があって、珍しくいらいらを爆発させた彼は、ビルの携帯を窓に投げつけ、窓ガラスをこなごなにしてしまったそう。
そして一瞬の間があってマイケルはビルを見てこう言いました。
Bill, you're going to need a new phone.
ビル、新しい電話が必要になっちゃったね
マイケルがかっとなる事も珍しい事だったと思いますし、彼をそんな風にさせたのはやっぱり3流のゴシップ誌に子供が見ると傷つくような記事があったのでしょう。
それを思うとやるせない気持ちになりましたが、そのあと、怒りに任せて人の携帯を窓に叩きつけ、ふと我にかえって、これはわたしの妄想ですけれど、おそらくえへへ・・みたいな感じで「ビル、新しい電話が必要になっちゃったね」っていう・・そして、ビルが「はぁぁ?必要になった、じゃねーよ!」と突っ込みたいけれど、そこはぐっと堪えて同じようにえへへ・・みたいな感じで「え、ええ、そうですね・・」と言ってる光景が目に浮かび、わたしのツボにはまりまくったシーンなのでした・・すみませんw
で、その後の顛末をファンが質問するとビルがこう答えていました。
「数日後に彼は僕ら全員に新しいiPhoneを持ってきてくれたよ♪」
この時のiPhoneは買ったのかな、もらったのかな・・また別のものなのかな・・
ビルの「おれの携帯が~(/_;)事件」を知っていたので、ジョブズ氏がマイケルと親しかったということがわかってなんだかよかった、と思ったのでしたw
ですが、始めはふたりが親しかったというのは少し意外な気がしました。
もちろんお互いは知っていたと思いますが、友人レベルだとは。
確かにマイケルのネバーランド内のコンピューターは19台、すべてMacでしたけれど。
ジョブズ氏はApple社の創業者の一人でしたし、あのトイ・ストーリーを世に送り出したピクサー・アニメーション・スタジオの創設者でもありましたし、ディズニーの筆頭株主でもありましたし、優秀なデザイナーでもあり、有能なプレゼンターでもあり、人をとりこにするスピーチの名手でもあり、経営者と一言で言うにはあまりに多くの顔がありました。
同じくシンガーでありダンサーであり、ソングライターであり音楽的技術に長けたコンポーザーでありプロデューサーであり、映像を良く知る俳優であり、芸術の造詣が深いアーティストでもあり、先見の明を持ったビジネスマンでもあるマイケル。
どちらももう二度と同じような人間は出てこないと評される、(同時に変わり者とも)不出世のふたりの天才は、いったいどんな話をしていたのでしょうか・・
映像の仕事をいずれ一生の仕事にしたかったマイケルにとって、ピクサーの話にはきっと興味しんしんだったでしょうし、新しいテクノロジーも大好きで、2006年来日時、SMAP×SMAPでもLED電球の大きなディスプレイばかり注目していた彼ですから、ジョブズ氏の語る未来の「きっとなにかよいもの」の話も興味深かったはずでしょうし、お互いに、こうと決めたら一歩も譲らない完ぺき主義者、それゆえ話も合ったのかもしれません。


そして何より革新者同士。
2001年ファンとのオンラインインタビュー Online Audio Chat - October 26, 2001
That's one of my favorite things, hearing the music really loud.
'Cause I like to play music loud. I mean, it's, uh...
If you play something over the Internet or small speakers, it doesn't have the same punch.
That's why you have to buy it.
You have to buy that CD to really hear that punch. It makes a huge difference. Huge difference. There's no comparison.
Buying the CD is the best thing. There's no comparison.
You can't hear all those sounds if you do it on a smaller system.
音楽を本当に大音量で聴くことは僕のお気に入りの一つなんだ。
音楽を大音響でかけるのが好きなんだ。それはつまり、うーん・・
インターネットや小さなスピーカーで流しても、同じパンチにならないんだ。
これが君達がCDを買わなきゃいけない理由だよ。
本物のパンチを聴くためにはCDを買わなきゃ。それはとんでもない違いだよ。とてつもなく大違いなんだ。比べても意味がないくらいね。
CDを買わなくちゃ。比較にならないよ。
小さな(スピーカー)システムではすべての音を聴きとれないからね。

ちょうどINVINCIBLEが発売された時で、おそらく半分は「僕のINVINCIBLE、ちゃんとCDを買ってね♪」というセールストークかもですが(笑)、実際彼は大音響で音楽をかける人としても有名でしたよね。
彼は自分がそうだったから、余計に細部にわたって「音作り」にこだわったのですね。
自分と同じように大きな音で聴く人を想定して、だからこそ面白い音、革新的な音、マシンで作り上げる単調な音ではなく本物の音、頑固なまでにそれら様々なことにこだわってアルバムを作っていたわけで。
そういう意味では、iPodのようなデジタル機器でヘッドフォンを通して聴かれるよりも、CDでいいスピーカーシステムで聴いて欲しいと思っていたはずですが、わたしがマイケルをすごい人だなぁと思うところは、彼はとても頑固だけれど、それは自らの創作に限ってであって、自分の音楽を楽しんでもらう人に対しては、とてもフレキシブルで優しくて寛大なところなのです。
たまに芸術家風を吹かせて「この音がわからないやつには聴いてもらわなくても結構だ」的なアーティストもいますけれど、そういう少しとんがったアーティストでも年齢を重ねていくと、そういう傲慢な考えから抜け出るようですが、マイケルは幼少の頃からエンターテイメント業界の荒波にもまれてきたからなのか、彼の資質がそうさせるのか、どんな悪い環境で自分の音楽が流れようとそれを聴いて口ずさんだり、踊りだしたり、要するに楽しんでくれればすべてがOK!という、まったくもって傲慢さなどかけらもない、しかもそれが若い頃から一貫しているという珍しく柔軟な人でした。
普通、といいますか、よくあるパターンで、異常に大ヒットを放ったアーティストは、その爆発的なヒット曲に自らが押しつぶされて、そのヒット曲から離れたいと思う傾向があるようです。
しかしそれも年月がたち、見方が変わると、その歌を自身の大切な歌として認識し、ようやく名実共にその人の代表曲としてアーティスト自身が受け入れる・・というような。
マイケルはThrillerを出して以降、そんな普通の人とは比べ物にならないぐらいの金字塔を打ち立てた化け物のようなアルバムと、いつも比べられそれを意識させられ、普通なら創作活動に支障が出てもおかしくないほどのプレッシャーに付きまとわれたにもかかわらず、彼はツアーのセットリストからこのアルバムからの曲を、もちろんThrillerもはずすことなく、それどころかイリュージョンなどコンサートの目玉演出をする格好の楽曲として位置づけていました。
何もわかっていない音楽評論家などは、どんなアルバムを出そうと「Thrillerを超えられない」と揶揄しましたけれど、売り上げは超えてなくとも、確実にマイケルは革新者として前進していました。
わたしの意見としては、あの一風変わったラブソングであるThrillerよりも、その後のGhostやIs It Scary、Threatenedのほうが、音の厚みや展開の仕方、何もかもが上だと思ってるのですけれどw
そういった彼の柔軟さは、「絶対CDで」なんていいつつ、時代の流れを的確につかみ、その流れをうまく取り入れようとしていた冷静さとあいまって、本来はCDの敵である楽曲のインターネット販売の先駆けであるジョブズ氏のiTuneを支持する所にもみてとれます。
2003年にアメリカでひとつの法案が可決されようとしていました。
当時はファイル交換サイトが若者に人気で、不正な楽曲ダウンロードが横行していた事もあり、著作権保護ファイルを交換することに対して重い刑罰(最高懲役5年)を科すというものでした。
この時マイケルはその法案に異議を唱える声明文を発表しました。(source)
I am speechless about the idea of putting music fans in jail for downloading music.
It is wrong to illegally download, but the answer cannot be jail.
Here in America we create new opportunities out of adversity, not punitive laws, and we should look to new technologies like Apple's new Music Store for solutions.
This way, innovation continues to be the hallmark of America.
It is the fans that drive the success of the music business.
楽曲をダウンロードした音楽ファンを刑務所におくるという考え方には言葉もありません。
不正なダウンロードは間違った事ですが、その解決策が刑務所であるはずがないのです。
ここアメリカでは、懲罰的な法律ではなく、逆境から新しいチャンス創り上げてきました。我々は解決のためにアップル社の新しいミュージックストアのような新技術に目を向けるべきなのです。
このような革新性こそがアメリカの特質であり続けるのです。
音楽ビジネスの成功は、ファンこそがその原動力なのですから。
革新者(パイオニア)であれ
これも彼の信条のひとつでしたよね^^
誰もが考えもつかないようなアイデアを形にしていくこと。
常にパイオニアであり続けようとしたマイケルが、いつもびっくりするものを提供しながらわたしたちの生活を変えてきたジョブズ氏と友人であることは、もはやなんら不思議ではないことに思います。
続きます
公平に扱ってもらえないでいると、時に人間と言うものは強く決然となれるのです。
奴隷制はおぞましい制度でしたが、アメリカの黒人がその抑圧的制度から逃れた時、彼らは前よりずっと逞しくなっていました。
彼らは自分の生活を支配している人間から精神的暴力を受けることがどういうことなのか知っていたからこそ、二度とそんなことを起こそうとしなかったのです。
僕はそういう強さに憧れます。
そうした力を持っている人間は、立ち上がって、信じていることに血と魂を注ぎ込む事ができるのです。
ここに書かれている彼の言葉が、まさに80年の屈辱を力に変えて84年に見事に結果を出した「公平に扱われない人間の決然とした強さ」を物語っていると思います。
彼は内に秘めたその強さを掲げ、常に有言実行の人であり、絶対にあきらめない人であり、そのためには努力を惜しまない人でした。

2003年マイケルは親友の映画監督ブレット・ラトナーとフロリダでバカンスを過ごし、その際知人の経営するスーパーマーケットを貸切して、人生初めての「自由に一人で誰にも遠慮せずにお買い物」をしました。
その時の様子はわたしの大好きな「Private Home Movie」でも映っていますからご覧になった方も多いでしょうし、フリスビー結構へたくそというKingの意外な弱点なんかもわかって楽しいわけですが(笑)
渋滞している車の中で運転しているのがブレットで、マイケルは後部座席でノリノリ♪という場面もありましたよね^^

おそらく同じ日に録られたブレットによるマイケルへの本当にプライベートなインタビューが、マイケルの承諾を経て公開されています。(2004 Interview Magazin)
このインタビューでは、マイケルが気の置けない友人相手にサービスしなくていいからか、びっくりするほど滑舌悪くもしゃもしゃ話すところが個人的に萌えます♪そのやる気のなさそうな滑舌の悪いぼそぼそした話し方の彼が、普段のマイケルなんだと思うと愛しすぎます^^
それ以上に内容がとても濃く本当に興味深くて、「ああ、だからか」とか「やっぱりそうなのか」とか合点のいくところも満載で・・て、その話をしだすと今回の流れから大幅に逸脱し戻って来れそうにありませんので、今回は唇をかんで見送りますw
ですが、いずれ近いうちに絶対お話ししたいと思ってます。(おっと、いつになるかは言えないなGirl^^)
Youtubeでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、ブレットがサイト上で当時の記事の一部ををUPしてくれていますので、そこから引用しますね。
Youtubeでご覧になる方はこちらからどうぞ。マイケルが下記の言葉を話すのは、2:32~3:51の部分です。^^
------------------------------
ブレット:じゃあ、音楽ビジネスでブレイクしたい誰かのために、助言をいくつか挙げてくれない?
MJ: Believe in yourself. Study the greats and become greater. And be a scientist. Dissect. Dissect.
自分を信じることだね。偉大なことを勉強して、さらに偉大になること。そして科学者であること。分析だね、細かく分析するんだよ
※この言葉も若い頃から言っていますよね^^過去記事
ブレット:君は前にこうも言ったね。あきらめないことって。
MJ: No matter what. I don't care if the whole world is against you or teasing you or saying you're not gonna make it. Believe in yourself. No matter what.
Some of the greatest men who have made their mark on this world were treated like that--you know, "You're not gonna do it,you're not gonna get anywhere."
They laughed at the Wright brothers. They laughed at Thomas Edison. They laughed at Walt Disney. They made jokes about Henry Ford. They said he was ignorant. Disney dropped out of school.
That's how far they went.
These men shaped and changed our culture, our customs, the way we live, the way we do things.
たとえ何があろうとね。もし世界中が僕に反対しても、からかわれても、そんなことはできっこないと言われても僕は気にしない。自分を信じるんだ。たとえ何があろうと。
この世界に足跡を残してきた偉大な人物たちの何人かは、こんな風に扱われていた・・君も知っての通り、「何もできっこない。何も得られるわけない」って。
彼らはライト兄弟を笑った。トーマスエジソンを笑った。ウォルトディズニーを笑った。ヘンリーフォードをジョークのネタにもしたのさ、彼のことを無知だって言って。ディズニーは学校を中退した。
そうやって彼らははるか向こうへ行ったんだ。
こういう人たちが僕らの文化や習慣、生き方、物事のやり方を形作って、そして変えていったんだよ。

ここでも変わらない彼の信条が垣間見れます。
彼のこの「何があろうと何を言われようと絶対にあきらめない」という姿勢は、若い頃から終始変わらないわけですが、世の中の天才といわれる人はこの信念というものが共通していますよね。もちろんジョブズ氏も例に漏れず。
彼は2001年日本で収録されたNHK「クローズアップ現代」でのインタビューで同じことを語っています。
「夢を実現できるか否かは途中であきらめるかどうかにかかっています。必要なのは強い情熱なのです」
ジョブズ氏の訃報が流れた日、マイケルのボディガード(Bill Whitfield, Javon Beard)がFacebookと、一部Twitterにこんなメッセージを出しました。
“Not many people knew that Mr. Jackson and Steve Jobs were friends, they spoke often.
Mr Jobs sent 12 iPhones to Mr Jackson two weeks before they went on sale to the public.
Mr. Jackson gave Bill and BJ (bodyguards) iPhones for Christmas and had them personally engraved.”
ミスター・ジャクソンとスティーブ・ジョブズが友人だった事を知る人は少ない。彼らはよく話をしていた。
ジョブズ氏は、公式発売日より2週間も前に12台のiPhoneをミスター・ジャクソンに送った。
ミスター・ジャクソンは(ボディガードの)ビルとBJに、個人の刻印をつけたiPhoneをクリスマスプレゼントとしてくれたんだ。
2007年のことですね。
2006年からマイケルのボディガードを務めたBill Whitfieldが、今もたまにFacebookでファンの質問に答えています。
去年彼らの記事が出て、ひとつ気になっていた記述があったのです。(source)
マイケルは子供たちへの影響を常に心配し、買い物先で目にしたゴシップ雑誌の表紙に自分の名前が出ていると、その雑誌を裏返して子供に見られないようにしていたそうです。
いつしかその役目はボディガードの仕事となったと語っていました。
マイケルは普段は良く笑う人だったけれど、相変わらず自分に対して嘘ばかり書くマスコミにいらだった事があって、珍しくいらいらを爆発させた彼は、ビルの携帯を窓に投げつけ、窓ガラスをこなごなにしてしまったそう。
そして一瞬の間があってマイケルはビルを見てこう言いました。
Bill, you're going to need a new phone.
ビル、新しい電話が必要になっちゃったね
マイケルがかっとなる事も珍しい事だったと思いますし、彼をそんな風にさせたのはやっぱり3流のゴシップ誌に子供が見ると傷つくような記事があったのでしょう。
それを思うとやるせない気持ちになりましたが、そのあと、怒りに任せて人の携帯を窓に叩きつけ、ふと我にかえって、これはわたしの妄想ですけれど、おそらくえへへ・・みたいな感じで「ビル、新しい電話が必要になっちゃったね」っていう・・そして、ビルが「はぁぁ?必要になった、じゃねーよ!」と突っ込みたいけれど、そこはぐっと堪えて同じようにえへへ・・みたいな感じで「え、ええ、そうですね・・」と言ってる光景が目に浮かび、わたしのツボにはまりまくったシーンなのでした・・すみませんw
で、その後の顛末をファンが質問するとビルがこう答えていました。
「数日後に彼は僕ら全員に新しいiPhoneを持ってきてくれたよ♪」
この時のiPhoneは買ったのかな、もらったのかな・・また別のものなのかな・・
ビルの「おれの携帯が~(/_;)事件」を知っていたので、ジョブズ氏がマイケルと親しかったということがわかってなんだかよかった、と思ったのでしたw
ですが、始めはふたりが親しかったというのは少し意外な気がしました。
もちろんお互いは知っていたと思いますが、友人レベルだとは。
確かにマイケルのネバーランド内のコンピューターは19台、すべてMacでしたけれど。
ジョブズ氏はApple社の創業者の一人でしたし、あのトイ・ストーリーを世に送り出したピクサー・アニメーション・スタジオの創設者でもありましたし、ディズニーの筆頭株主でもありましたし、優秀なデザイナーでもあり、有能なプレゼンターでもあり、人をとりこにするスピーチの名手でもあり、経営者と一言で言うにはあまりに多くの顔がありました。
同じくシンガーでありダンサーであり、ソングライターであり音楽的技術に長けたコンポーザーでありプロデューサーであり、映像を良く知る俳優であり、芸術の造詣が深いアーティストでもあり、先見の明を持ったビジネスマンでもあるマイケル。
どちらももう二度と同じような人間は出てこないと評される、(同時に変わり者とも)不出世のふたりの天才は、いったいどんな話をしていたのでしょうか・・
映像の仕事をいずれ一生の仕事にしたかったマイケルにとって、ピクサーの話にはきっと興味しんしんだったでしょうし、新しいテクノロジーも大好きで、2006年来日時、SMAP×SMAPでもLED電球の大きなディスプレイばかり注目していた彼ですから、ジョブズ氏の語る未来の「きっとなにかよいもの」の話も興味深かったはずでしょうし、お互いに、こうと決めたら一歩も譲らない完ぺき主義者、それゆえ話も合ったのかもしれません。


そして何より革新者同士。
2001年ファンとのオンラインインタビュー Online Audio Chat - October 26, 2001
That's one of my favorite things, hearing the music really loud.
'Cause I like to play music loud. I mean, it's, uh...
If you play something over the Internet or small speakers, it doesn't have the same punch.
That's why you have to buy it.
You have to buy that CD to really hear that punch. It makes a huge difference. Huge difference. There's no comparison.
Buying the CD is the best thing. There's no comparison.
You can't hear all those sounds if you do it on a smaller system.
音楽を本当に大音量で聴くことは僕のお気に入りの一つなんだ。
音楽を大音響でかけるのが好きなんだ。それはつまり、うーん・・
インターネットや小さなスピーカーで流しても、同じパンチにならないんだ。
これが君達がCDを買わなきゃいけない理由だよ。
本物のパンチを聴くためにはCDを買わなきゃ。それはとんでもない違いだよ。とてつもなく大違いなんだ。比べても意味がないくらいね。
CDを買わなくちゃ。比較にならないよ。
小さな(スピーカー)システムではすべての音を聴きとれないからね。

ちょうどINVINCIBLEが発売された時で、おそらく半分は「僕のINVINCIBLE、ちゃんとCDを買ってね♪」というセールストークかもですが(笑)、実際彼は大音響で音楽をかける人としても有名でしたよね。
彼は自分がそうだったから、余計に細部にわたって「音作り」にこだわったのですね。
自分と同じように大きな音で聴く人を想定して、だからこそ面白い音、革新的な音、マシンで作り上げる単調な音ではなく本物の音、頑固なまでにそれら様々なことにこだわってアルバムを作っていたわけで。
そういう意味では、iPodのようなデジタル機器でヘッドフォンを通して聴かれるよりも、CDでいいスピーカーシステムで聴いて欲しいと思っていたはずですが、わたしがマイケルをすごい人だなぁと思うところは、彼はとても頑固だけれど、それは自らの創作に限ってであって、自分の音楽を楽しんでもらう人に対しては、とてもフレキシブルで優しくて寛大なところなのです。
たまに芸術家風を吹かせて「この音がわからないやつには聴いてもらわなくても結構だ」的なアーティストもいますけれど、そういう少しとんがったアーティストでも年齢を重ねていくと、そういう傲慢な考えから抜け出るようですが、マイケルは幼少の頃からエンターテイメント業界の荒波にもまれてきたからなのか、彼の資質がそうさせるのか、どんな悪い環境で自分の音楽が流れようとそれを聴いて口ずさんだり、踊りだしたり、要するに楽しんでくれればすべてがOK!という、まったくもって傲慢さなどかけらもない、しかもそれが若い頃から一貫しているという珍しく柔軟な人でした。
普通、といいますか、よくあるパターンで、異常に大ヒットを放ったアーティストは、その爆発的なヒット曲に自らが押しつぶされて、そのヒット曲から離れたいと思う傾向があるようです。
しかしそれも年月がたち、見方が変わると、その歌を自身の大切な歌として認識し、ようやく名実共にその人の代表曲としてアーティスト自身が受け入れる・・というような。
マイケルはThrillerを出して以降、そんな普通の人とは比べ物にならないぐらいの金字塔を打ち立てた化け物のようなアルバムと、いつも比べられそれを意識させられ、普通なら創作活動に支障が出てもおかしくないほどのプレッシャーに付きまとわれたにもかかわらず、彼はツアーのセットリストからこのアルバムからの曲を、もちろんThrillerもはずすことなく、それどころかイリュージョンなどコンサートの目玉演出をする格好の楽曲として位置づけていました。
何もわかっていない音楽評論家などは、どんなアルバムを出そうと「Thrillerを超えられない」と揶揄しましたけれど、売り上げは超えてなくとも、確実にマイケルは革新者として前進していました。
わたしの意見としては、あの一風変わったラブソングであるThrillerよりも、その後のGhostやIs It Scary、Threatenedのほうが、音の厚みや展開の仕方、何もかもが上だと思ってるのですけれどw
そういった彼の柔軟さは、「絶対CDで」なんていいつつ、時代の流れを的確につかみ、その流れをうまく取り入れようとしていた冷静さとあいまって、本来はCDの敵である楽曲のインターネット販売の先駆けであるジョブズ氏のiTuneを支持する所にもみてとれます。
2003年にアメリカでひとつの法案が可決されようとしていました。
当時はファイル交換サイトが若者に人気で、不正な楽曲ダウンロードが横行していた事もあり、著作権保護ファイルを交換することに対して重い刑罰(最高懲役5年)を科すというものでした。
この時マイケルはその法案に異議を唱える声明文を発表しました。(source)
I am speechless about the idea of putting music fans in jail for downloading music.
It is wrong to illegally download, but the answer cannot be jail.
Here in America we create new opportunities out of adversity, not punitive laws, and we should look to new technologies like Apple's new Music Store for solutions.
This way, innovation continues to be the hallmark of America.
It is the fans that drive the success of the music business.
楽曲をダウンロードした音楽ファンを刑務所におくるという考え方には言葉もありません。
不正なダウンロードは間違った事ですが、その解決策が刑務所であるはずがないのです。
ここアメリカでは、懲罰的な法律ではなく、逆境から新しいチャンス創り上げてきました。我々は解決のためにアップル社の新しいミュージックストアのような新技術に目を向けるべきなのです。
このような革新性こそがアメリカの特質であり続けるのです。
音楽ビジネスの成功は、ファンこそがその原動力なのですから。
革新者(パイオニア)であれ
これも彼の信条のひとつでしたよね^^
誰もが考えもつかないようなアイデアを形にしていくこと。
常にパイオニアであり続けようとしたマイケルが、いつもびっくりするものを提供しながらわたしたちの生活を変えてきたジョブズ氏と友人であることは、もはやなんら不思議ではないことに思います。
続きます
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