Xscape
Xscape
ギザギザの無いシャンプーハットを逆さに被ったかのような斬新な(笑)ジャケットのアルバムを今は毎日聴いているわけですが。
山田君、座布団持ってきてあげて!
という感想ですw ということはつまり、気に入ってます^^
マイケル自身が満を持して世に放ったものではありませんが、彼曰く神から彼の膝に落とされたギフトである作品と、ブラッシュアップするつもりで残しておいたお気に入りの提供楽曲・・でもさまざまな事情でお蔵入りになったそれらから厳選された8曲のオリジナル音源は、2014年の今、今日聴いても全然イケてるイカシたとにかくさすがの高感度、ハイクオリティで、しかもライトなものからこれぞMJの世界観!というのをがっつり味わえるものまで納得の座布団GET作品たち。
そして一部に多少の古き良き時代を感じさせるアレンジのものもひっくるめていっさいがっさいを、マイケルのブレスと声だけを残して一気にタイムボカン的に現代的なお色直しがほどこされたアレンジ群も納得。
このアルバムのコンセプトでもある、「マイケルの才能を再び世界に示す」(LAリード談)ことはすなわち、今の音楽シーンにKING OF POPを再びみたび君臨させることにほかならず、そのために現在の主力リスナー世代を存分に踊らせるダンスチューンと、強烈なインパクトを与える大仕掛けが必要だったのかもなぁと思いました。
彼は「レジェンド」ではなく2014年の今にあってなお、多くの人をインスパイアするアーティストだということを、そしてKING OF POPを名乗るのは、今までもこれからも彼しかいないことを、思い出させるために。
世界が驚いた、あのホログラム風で実はそれとは違う技術によるBillboardのライブイリュージョン。
一部では批判もあるようですが、あのライブでMJの幻が姿を見せた瞬間、テレビ中継されたアメリカでは恐ろしい数のTweetが発信されました。
Twitterは世界中で発信されたリアルタイムTweetを可視化できるマップを公開しています。
あの日のBillboard live関連のTweetも記録されていました。

その時間を経過するにしたがって打ち上げ花火のように発信されるTweetの膨大な数と言ったら、もう奥様。

ライブスタート MJ登場!
もう地図見えないし、なにがなんだかわかんないしw
これらすべてが「感動した」だの「素晴らしい」といった賛同したTweetではもちろんないでしょう。
ですが、肝心なのは賛否の割合よりも、それだけ多くの人がMJについてTweetしたという事実です。
その場でTweetした人の中で、その後本物の歌なり動画なりをググった人がどれぐらいいるか。
そっちの方が重要です。
わたしのTwitterアカウントはほとんど動いていないにも関わらず、ここ1、2か月でまたフォロワーが増えているのですが、そのほとんどは10代や20代前半の若い世代です。
前回の記事みたく教科書だろうがなんだろうが、入口はどこからでも構いませんが、あんな派手なイリュージョンやアルバムが話題になれば、あるいはチャートに登場すれば、彼らは新しくマイケルを知り、音楽を、パフォーマンスを通して、彼からの新たなescapismを手に入れるのです。
それはすなわち、彼の音楽を聴きながら成長し、彼をこよなく愛する今のファンの世代が、たとえこの世から去っていこうとも、その後に残る世代が引き続き、彼と彼の作品を愛していくきっかけになるのです。
これはとても大切なことです。
さて、オリジナル音源の入ったデラックスエディションには、このアルバム製作に関わったプロデューサーたちのドキュメントが入っていますよね。
こういうものを見るのが好きなタイプです。

左からTimbaland LA・Reid Rodney・Jerkins J・Rock どひーきょわいきょわい、マイコー関係なかったら絶対近寄れないw
LAリード、お馴染みINVINCIBLEも手掛けたロドニー・ジャーキンスをはじめ、今のヒットチャート上をにぎわす間違いなく一流のプロデューサーたちの話は思った通り、喜びと戸惑いと葛藤と、そして結局最終的には、MJに恥じない、革新に満ちた、今できる最高を求めて、それもすべてマイケルのために、マイケルだからこそそこまでの高い目標を自分たちに課した彼らのMJへの尊敬と愛情を感じるものでした。
この時の彼らの話は、Billboard誌のカバーストーリーになっています。

わたしは自分のリビングのしょぼいスピーカーから聴こえる普通の音で、全然ノリノリですっかり上機嫌で何の問題もなかったのですが、先日SONYストア大阪で、話題のハイレゾ体験なるものをしてきた事で、心底わかったことがありました。
それはジャクソン先生が声を大にしておっしゃっていたことで、その時ようやく遅まきながら、「はい先生!!だからなんですね、そうだったんですね!」と心からガッテンガッテンしたことなのだけれど(笑)
2001年ファンとのオンラインインタビュー Online Audio Chat - October 26, 2001(source)
That's one of my favorite things, hearing the music really loud.
'Cause I like to play music loud. I mean, it's, uh...
If you play something over the Internet or small speakers, it doesn't have the same punch.
That's why you have to buy it.
You have to buy that CD to really hear that punch. It makes a huge difference. Huge difference. There's no comparison.
Buying the CD is the best thing. There's no comparison.
You can't hear all those sounds if you do it on a smaller system.
音楽を本当に大音量で聴くことは僕のお気に入りの一つなんだ。
音楽を大音響でかけるのが好きなんだ。それはつまり、うーん・・
インターネットや小さなスピーカーで流しても、同じパンチにならないんだ。
これが君達がCDを買わなきゃいけない理由だよ。
本物のパンチを聴くためにはCDを買わなきゃ。それはとんでもない違いだよ。とてつもなく大違いなんだ。比べても意味がないくらいね。
CDを買わなくちゃ。比較にならないよ。
小さな(スピーカー)システムではすべての音を聴きとれないからね。

with Bruce Swedien
そもそもハイレゾ(High Resolution:高解像度)とは(ハイレグじゃないよ念のため)なんぞや。
むちゃくちゃ簡単に言うと画像の画素数と同じと思ってもらえるとわかりやすいです。
マイケルのびゅーてほーなお写真も、画素の少ない、つまり解像度の低いものより高いものの方が拡大してもきれいでうっとりんこだ、ぷー♪
それは画素数が多ければ多い程、実際の被写体を忠実に表現できるからです。
それの音版です。(いやーざっくりすぎ?w詳しく知りたい方はちゃんと調べてね^^)
つまりオリジナルの音源に限りなく近い音を再現しているということです。
スタジオで制作中のマイケルたちが実際に聴いたであろう音の数々。
そのクオリティに限りなく近い音、それがハイレゾ音源だということです。
SONYストアではXscapeのCD音源とハイレゾとの聴き比べをさせてもらったのですが、素人でも間違いなく音に立体感が感じられ、なおかつ音自体の存在感がハンパなく、CDでは聴こえなかった音が聴こえたり、逆にCDでは耳障りだった音がしっくり馴染んでいたり、と、曲の印象が断然変わりました。
特にオリジナルは、レコーディング中にマイケルが実際にその音を聴いて、採用した沢山の音たちが大音響で降りそそいだ時、ひとつひとつの音をいかに大事にしていたかということと、それだからこそ彼の創った作品からは、その曲の世界観を表現する音たちで織り上げられたストーリーが感じられるんだとあらためて思いました。
彼の内から聴こえる生命を奏でるビートと、外に存在する森羅万象の全てから聴こえる歌がひとつになってリズムを奏でる、その瞬間を逃さず聴きとったイメージを現実の音に変えてきたその人は、それらさまざまな音たちを建築家のように緻密に配置し組み立てながら、時に胸躍らせ時に切なさの涙をあふれさせるほど、その曲を聴く人の感情を揺さぶる物語を、自らの美しい声と共に創りあげていたんだなぁ・・
音にうるさいファンの方々は、とっくの昔からわかっていたことなんでしょうが、わたしはこれまで彼の声とメロディ重視!っていう人だったので、本当にいやはやもうすいません。
それと、このXscapeのアレンジ群はハイレゾ音源で聴くと、うすっぺらい好き嫌いといった感情の出る余地のないほど、凝りに凝り、練りに練られたものだということもわかりました。
それはすなわちこのアルバムに携わりアレンジを担当したプロデューサー陣の、本気の一曲入魂の姿勢を十分に表していると実感しました。
シルクのショーの時もそうでしたし、BAD25のプロジェクトの時もそうでしたが、マイケルに関わるということの誇りとリスク-彼らは素人ではなくれっきとしたクリエイターなので、何か不都合が起こった場合、それは自分のクリエイター生命をも危機にさらすかもしれないというリスクです。成功すればMJが称えられ失敗すれば全ての責任の矛先が自分に向く、というリスクです-を天秤にかけてなお、誇りが大きく優った人たちが彼のためにと、今できる最高の何かを、集中して没頭して完成させようとする・・それは誰よりも高みを目指し、誰よりもGreatestな何かを、革新に富んだ新しい何かを、画期的なオリジナルな何かをいつも望み、誰よりも限界を信じなかったマイケルその人への最大なる敬意と賛辞があればこそでしょうし、創作に携わる誰もが持つクリエイター魂がそうさせるのではないかと思うのです。

With Rodney・Jerkins
以前に出た「MICHAEL」に関わったクリエイター達もしかりです。
わたしは甘っちょろい単細胞なのかもしれませんが、性善説と同じように、どこかで信じているのです。
映像にしろ音楽にしろ舞台にしろ踊りにしろ、何かを表現すること、何かを生み出す人、素晴らしい何かを創りだしたい人の根底にある純粋な創造性を。
そこには報酬や名声といったお飾りが入り込む余地などない事を。
その作業の果てに待つ、自分たちに降りそそぐであろう恐ろしいほどの数の反応を、バカでない限り予想できないわけはなく、それらも込みのリスクを承知の上で、下した判断、選択した方法・・それらは「MJに捧げる」事だけに集中したであろう彼らの、あの時点で出来うる最高のクリエイト魂の産物だったのだと信じます。
世間の評価はどうであれ、そこに対してわたしは敬意を払います。
まぁとにかく今回のハイレゾ体験は、そういった人たちが今できる限りのことを、持てる限りの力を、マイケルのため、その一点にそそいで創りあげたアレンジだという事を(1曲1曲の好みは別にして)、肌で感じることができてよかったわけです。
自分でハイレゾ音源を聴ける環境に整えるのが一番ですが、そうはいっても一気には無理・・(T_T)というそこの奥様お嬢さまは、ぜひお近くのSONYストアで(銀座はいわずもがなの力の入れようで素晴らしかったですが、大阪も名古屋も予約は必要ですが体験可能です♪)、特にオリジナルをリクエストして、マイケルがスタジオで選んだ音を体感してみてください^^
そしてDVDを通して、プロデューサー達の、リスクをものともせずそれだけの覚悟をもって、マイケルに積極的に前のめりに関わりたかった経緯や思いを知ることは、かの人がいまだ多大な影響を与えている現実を再確認するとともに、見返りではなく、でも愛されることを愛することと同じほど求めていた(と思う)彼が、いまだこれほど愛されている事実を確認することでもありました。
Billboardの特集記事はこのような一文で終わっています。
it(Xscape) transports the spirit of the late pop genius from the past into the future, the place Jackson always wanted his music to live.
Xscapeは亡きポップの天才の魂を過去から未来へ運ぶ。ジャクソンが常に望んだ彼の音楽が生きる場所へと。
Ebony2007 Interview (source:mjfancommunity.com)
I always want to do music that inspires or influences another generation.
You want what you create to live, be it sculpture or painting or music.
Like Michelangelo, he said, “I know the creator will go, but his work survives.
That is why to escape death, I attempt to bind my soul to my work.”
And that’s how I feel.
I give my all to my work. I want it to just live.
僕はいつも、自分とは違う世代を動かしたり影響を与える音楽をやりたいと思っているんだ
自分が創造するものには、彫刻にしろ絵画にしろ音楽にしろ、何にしても、長く生きていて欲しいと思うものさ
ミケランジェロのようにね、彼はこう言った
「私は、創作者はいなくなっても、その作品は永く生き続けることを知っている
それゆえ、私は死を免れるために、自分の魂を作品に縛りつけようと試みる」とね
僕も、そんなふうに感じている
僕の魂のすべてを自分の作品に与えているよ、その作品が永く生き続けてほしいから

このアルバムが出たことにより、ジャスティン・ティンバーレイクとの「Love Never Felt So Good」がビルボードHOT100で9位にランクインしたのを受け、マイケルは50年間でそれぞれの10年間にチャートインした最初のアーティストという記録を打ち立てましたよね。
このように記録を作り、20年前にリリースした曲(Billie Jean)が再びチャートに上り、彼の音楽性が話題に上り、クラブのターンテーブルで彼の曲が回り、ラジオから彼の曲が流れ、人々は彼の曲を口ずさみ、彼の曲で踊り・・
マイケルのいるべきはそういう場所。
ニュース番組では断じてなくて。
このアルバムの出現は確かに「マイケルの才能を再び世界に示す」という役割の一端を担ったと思います。
彼の魂が織り込まれた音楽を、それが一番生き生きと輝く場所へと運ぶために。
I give my all to my work. I want it to just live.
僕の魂のすべてを自分の作品に与えているよ、その作品が永く生き続けてほしいから
ギザギザの無いシャンプーハットを逆さに被ったかのような斬新な(笑)ジャケットのアルバムを今は毎日聴いているわけですが。
山田君、座布団持ってきてあげて!
という感想ですw ということはつまり、気に入ってます^^
マイケル自身が満を持して世に放ったものではありませんが、彼曰く神から彼の膝に落とされたギフトである作品と、ブラッシュアップするつもりで残しておいたお気に入りの提供楽曲・・でもさまざまな事情でお蔵入りになったそれらから厳選された8曲のオリジナル音源は、2014年の今、今日聴いても全然イケてるイカシたとにかくさすがの高感度、ハイクオリティで、しかもライトなものからこれぞMJの世界観!というのをがっつり味わえるものまで納得の座布団GET作品たち。
そして一部に多少の古き良き時代を感じさせるアレンジのものもひっくるめていっさいがっさいを、マイケルのブレスと声だけを残して一気にタイムボカン的に現代的なお色直しがほどこされたアレンジ群も納得。
このアルバムのコンセプトでもある、「マイケルの才能を再び世界に示す」(LAリード談)ことはすなわち、今の音楽シーンにKING OF POPを再びみたび君臨させることにほかならず、そのために現在の主力リスナー世代を存分に踊らせるダンスチューンと、強烈なインパクトを与える大仕掛けが必要だったのかもなぁと思いました。
彼は「レジェンド」ではなく2014年の今にあってなお、多くの人をインスパイアするアーティストだということを、そしてKING OF POPを名乗るのは、今までもこれからも彼しかいないことを、思い出させるために。
世界が驚いた、あのホログラム風で実はそれとは違う技術によるBillboardのライブイリュージョン。
一部では批判もあるようですが、あのライブでMJの幻が姿を見せた瞬間、テレビ中継されたアメリカでは恐ろしい数のTweetが発信されました。
Twitterは世界中で発信されたリアルタイムTweetを可視化できるマップを公開しています。
あの日のBillboard live関連のTweetも記録されていました。

その時間を経過するにしたがって打ち上げ花火のように発信されるTweetの膨大な数と言ったら、もう奥様。

ライブスタート MJ登場!
もう地図見えないし、なにがなんだかわかんないしw
これらすべてが「感動した」だの「素晴らしい」といった賛同したTweetではもちろんないでしょう。
ですが、肝心なのは賛否の割合よりも、それだけ多くの人がMJについてTweetしたという事実です。
その場でTweetした人の中で、その後本物の歌なり動画なりをググった人がどれぐらいいるか。
そっちの方が重要です。
わたしのTwitterアカウントはほとんど動いていないにも関わらず、ここ1、2か月でまたフォロワーが増えているのですが、そのほとんどは10代や20代前半の若い世代です。
前回の記事みたく教科書だろうがなんだろうが、入口はどこからでも構いませんが、あんな派手なイリュージョンやアルバムが話題になれば、あるいはチャートに登場すれば、彼らは新しくマイケルを知り、音楽を、パフォーマンスを通して、彼からの新たなescapismを手に入れるのです。
それはすなわち、彼の音楽を聴きながら成長し、彼をこよなく愛する今のファンの世代が、たとえこの世から去っていこうとも、その後に残る世代が引き続き、彼と彼の作品を愛していくきっかけになるのです。
これはとても大切なことです。
さて、オリジナル音源の入ったデラックスエディションには、このアルバム製作に関わったプロデューサーたちのドキュメントが入っていますよね。
こういうものを見るのが好きなタイプです。

左からTimbaland LA・Reid Rodney・Jerkins J・Rock どひーきょわいきょわい、マイコー関係なかったら絶対近寄れないw
LAリード、お馴染みINVINCIBLEも手掛けたロドニー・ジャーキンスをはじめ、今のヒットチャート上をにぎわす間違いなく一流のプロデューサーたちの話は思った通り、喜びと戸惑いと葛藤と、そして結局最終的には、MJに恥じない、革新に満ちた、今できる最高を求めて、それもすべてマイケルのために、マイケルだからこそそこまでの高い目標を自分たちに課した彼らのMJへの尊敬と愛情を感じるものでした。
この時の彼らの話は、Billboard誌のカバーストーリーになっています。

わたしは自分のリビングのしょぼいスピーカーから聴こえる普通の音で、全然ノリノリですっかり上機嫌で何の問題もなかったのですが、先日SONYストア大阪で、話題のハイレゾ体験なるものをしてきた事で、心底わかったことがありました。
それはジャクソン先生が声を大にしておっしゃっていたことで、その時ようやく遅まきながら、「はい先生!!だからなんですね、そうだったんですね!」と心からガッテンガッテンしたことなのだけれど(笑)
2001年ファンとのオンラインインタビュー Online Audio Chat - October 26, 2001(source)
That's one of my favorite things, hearing the music really loud.
'Cause I like to play music loud. I mean, it's, uh...
If you play something over the Internet or small speakers, it doesn't have the same punch.
That's why you have to buy it.
You have to buy that CD to really hear that punch. It makes a huge difference. Huge difference. There's no comparison.
Buying the CD is the best thing. There's no comparison.
You can't hear all those sounds if you do it on a smaller system.
音楽を本当に大音量で聴くことは僕のお気に入りの一つなんだ。
音楽を大音響でかけるのが好きなんだ。それはつまり、うーん・・
インターネットや小さなスピーカーで流しても、同じパンチにならないんだ。
これが君達がCDを買わなきゃいけない理由だよ。
本物のパンチを聴くためにはCDを買わなきゃ。それはとんでもない違いだよ。とてつもなく大違いなんだ。比べても意味がないくらいね。
CDを買わなくちゃ。比較にならないよ。
小さな(スピーカー)システムではすべての音を聴きとれないからね。

with Bruce Swedien
そもそもハイレゾ(High Resolution:高解像度)とは(ハイレグじゃないよ念のため)なんぞや。
むちゃくちゃ簡単に言うと画像の画素数と同じと思ってもらえるとわかりやすいです。
マイケルのびゅーてほーなお写真も、画素の少ない、つまり解像度の低いものより高いものの方が拡大してもきれいでうっとりんこだ、ぷー♪
それは画素数が多ければ多い程、実際の被写体を忠実に表現できるからです。
それの音版です。(いやーざっくりすぎ?w詳しく知りたい方はちゃんと調べてね^^)
つまりオリジナルの音源に限りなく近い音を再現しているということです。
スタジオで制作中のマイケルたちが実際に聴いたであろう音の数々。
そのクオリティに限りなく近い音、それがハイレゾ音源だということです。
SONYストアではXscapeのCD音源とハイレゾとの聴き比べをさせてもらったのですが、素人でも間違いなく音に立体感が感じられ、なおかつ音自体の存在感がハンパなく、CDでは聴こえなかった音が聴こえたり、逆にCDでは耳障りだった音がしっくり馴染んでいたり、と、曲の印象が断然変わりました。
特にオリジナルは、レコーディング中にマイケルが実際にその音を聴いて、採用した沢山の音たちが大音響で降りそそいだ時、ひとつひとつの音をいかに大事にしていたかということと、それだからこそ彼の創った作品からは、その曲の世界観を表現する音たちで織り上げられたストーリーが感じられるんだとあらためて思いました。
彼の内から聴こえる生命を奏でるビートと、外に存在する森羅万象の全てから聴こえる歌がひとつになってリズムを奏でる、その瞬間を逃さず聴きとったイメージを現実の音に変えてきたその人は、それらさまざまな音たちを建築家のように緻密に配置し組み立てながら、時に胸躍らせ時に切なさの涙をあふれさせるほど、その曲を聴く人の感情を揺さぶる物語を、自らの美しい声と共に創りあげていたんだなぁ・・
音にうるさいファンの方々は、とっくの昔からわかっていたことなんでしょうが、わたしはこれまで彼の声とメロディ重視!っていう人だったので、本当にいやはやもうすいません。
それと、このXscapeのアレンジ群はハイレゾ音源で聴くと、うすっぺらい好き嫌いといった感情の出る余地のないほど、凝りに凝り、練りに練られたものだということもわかりました。
それはすなわちこのアルバムに携わりアレンジを担当したプロデューサー陣の、本気の一曲入魂の姿勢を十分に表していると実感しました。
シルクのショーの時もそうでしたし、BAD25のプロジェクトの時もそうでしたが、マイケルに関わるということの誇りとリスク-彼らは素人ではなくれっきとしたクリエイターなので、何か不都合が起こった場合、それは自分のクリエイター生命をも危機にさらすかもしれないというリスクです。成功すればMJが称えられ失敗すれば全ての責任の矛先が自分に向く、というリスクです-を天秤にかけてなお、誇りが大きく優った人たちが彼のためにと、今できる最高の何かを、集中して没頭して完成させようとする・・それは誰よりも高みを目指し、誰よりもGreatestな何かを、革新に富んだ新しい何かを、画期的なオリジナルな何かをいつも望み、誰よりも限界を信じなかったマイケルその人への最大なる敬意と賛辞があればこそでしょうし、創作に携わる誰もが持つクリエイター魂がそうさせるのではないかと思うのです。

With Rodney・Jerkins
以前に出た「MICHAEL」に関わったクリエイター達もしかりです。
わたしは甘っちょろい単細胞なのかもしれませんが、性善説と同じように、どこかで信じているのです。
映像にしろ音楽にしろ舞台にしろ踊りにしろ、何かを表現すること、何かを生み出す人、素晴らしい何かを創りだしたい人の根底にある純粋な創造性を。
そこには報酬や名声といったお飾りが入り込む余地などない事を。
その作業の果てに待つ、自分たちに降りそそぐであろう恐ろしいほどの数の反応を、バカでない限り予想できないわけはなく、それらも込みのリスクを承知の上で、下した判断、選択した方法・・それらは「MJに捧げる」事だけに集中したであろう彼らの、あの時点で出来うる最高のクリエイト魂の産物だったのだと信じます。
世間の評価はどうであれ、そこに対してわたしは敬意を払います。
まぁとにかく今回のハイレゾ体験は、そういった人たちが今できる限りのことを、持てる限りの力を、マイケルのため、その一点にそそいで創りあげたアレンジだという事を(1曲1曲の好みは別にして)、肌で感じることができてよかったわけです。
自分でハイレゾ音源を聴ける環境に整えるのが一番ですが、そうはいっても一気には無理・・(T_T)というそこの奥様お嬢さまは、ぜひお近くのSONYストアで(銀座はいわずもがなの力の入れようで素晴らしかったですが、大阪も名古屋も予約は必要ですが体験可能です♪)、特にオリジナルをリクエストして、マイケルがスタジオで選んだ音を体感してみてください^^
そしてDVDを通して、プロデューサー達の、リスクをものともせずそれだけの覚悟をもって、マイケルに積極的に前のめりに関わりたかった経緯や思いを知ることは、かの人がいまだ多大な影響を与えている現実を再確認するとともに、見返りではなく、でも愛されることを愛することと同じほど求めていた(と思う)彼が、いまだこれほど愛されている事実を確認することでもありました。
Billboardの特集記事はこのような一文で終わっています。
it(Xscape) transports the spirit of the late pop genius from the past into the future, the place Jackson always wanted his music to live.
Xscapeは亡きポップの天才の魂を過去から未来へ運ぶ。ジャクソンが常に望んだ彼の音楽が生きる場所へと。
Ebony2007 Interview (source:mjfancommunity.com)
I always want to do music that inspires or influences another generation.
You want what you create to live, be it sculpture or painting or music.
Like Michelangelo, he said, “I know the creator will go, but his work survives.
That is why to escape death, I attempt to bind my soul to my work.”
And that’s how I feel.
I give my all to my work. I want it to just live.
僕はいつも、自分とは違う世代を動かしたり影響を与える音楽をやりたいと思っているんだ
自分が創造するものには、彫刻にしろ絵画にしろ音楽にしろ、何にしても、長く生きていて欲しいと思うものさ
ミケランジェロのようにね、彼はこう言った
「私は、創作者はいなくなっても、その作品は永く生き続けることを知っている
それゆえ、私は死を免れるために、自分の魂を作品に縛りつけようと試みる」とね
僕も、そんなふうに感じている
僕の魂のすべてを自分の作品に与えているよ、その作品が永く生き続けてほしいから

このアルバムが出たことにより、ジャスティン・ティンバーレイクとの「Love Never Felt So Good」がビルボードHOT100で9位にランクインしたのを受け、マイケルは50年間でそれぞれの10年間にチャートインした最初のアーティストという記録を打ち立てましたよね。
このように記録を作り、20年前にリリースした曲(Billie Jean)が再びチャートに上り、彼の音楽性が話題に上り、クラブのターンテーブルで彼の曲が回り、ラジオから彼の曲が流れ、人々は彼の曲を口ずさみ、彼の曲で踊り・・
マイケルのいるべきはそういう場所。
ニュース番組では断じてなくて。
このアルバムの出現は確かに「マイケルの才能を再び世界に示す」という役割の一端を担ったと思います。
彼の魂が織り込まれた音楽を、それが一番生き生きと輝く場所へと運ぶために。
I give my all to my work. I want it to just live.
僕の魂のすべてを自分の作品に与えているよ、その作品が永く生き続けてほしいから