本当に書きたかったことを (3)
「MJは白人願望から肌を白く変えた」
これは大きな間違いだと思っています。
「本当に書きたかったことを(2)」と続けて今回の記事をお読みいただければと思います。
彼の肌色の変化は病気によるものです。
尋常性白斑(vitiligo)
MJは「スリラー」で大人気だった頃にはすでにこの病気を発症しています。
これは、肌の色素が免疫異常によりまだらに抜けていく自己免疫疾患です。
最初は斑点状に色が抜け、進行度によってはその抜けた部分が体の大半を占める場合もあります。
この病気には明確な治療法がないそうです。
治療と言うよりも、白斑の進行度合いによって施されるメンテナンスの意味が強い処置がなされるようです。
ひとつは色素回復の処置ですが、これが万人に有効かといえばそうではなく、別の処置で白斑が全身の50%以上に見られる場合におこなわれるものもあるそうで、それは白く抜けた部分と調和させるために、元の肌の色素を抑えるという治療法です。
しかし、これは漂白という事ではありません。
そのため、この病気が与える精神的ストレスは相当なもので、見た目ですぐわかる状態なら尚更ですから、医学的な処置が功をなさない場合、そのような人にメイクによって色を隠す方法は大変有効で、リハビリメイクとして普通に行われるようです。
30年近くマイケルの専属メイクであったカレン・フェイさんも証言しています。
「白斑が広範囲に広がったので、メイクで全身の肌のトーンを揃えなければならなかった」
1993年のオプラ・ウィンフリーショウ(インタビュー番組)では、ネバーランドから生中継で出演したマイケル自らが、この病気を告白します。
そこで語った言葉
「僕はブラックアメリカンです。黒人である事、自分の人種、何者であるかを誇りに思っています。僕は大きな誇りと尊厳を持っています」
オプラのインタビューでマイケルは
「白人になろうとしているなどと言われて傷ついている」
「自分ではコントロールのできない病気なんだ」
「色が変わりだしたのはオフザウォールか、スリラーあたり」
「肌を均一に見せるのに、メイクをしなくてはならないんだ」と語っています。
この病気の患者にとっては、紫外線から肌を守るのは当然のことで、日傘や帽子などで弱くなった肌を太陽から守らねばならないのです。
彼がマスクや日傘を常用しているのは、そのような理由からです。
マスコミは彼が自分の病気を公に告白した事はそっちのけで、正確な情報よりも白いメイクの奇異な印象や、マスクや日傘などは肌を守るための装備としてではなく、マイケルの奇行として報道し続けました。
しかしその後、MJは必要以上に自分の病気をアピールする事はしませんでした。
それがかえってマスコミの過激報道につながったという意見もありますが、彼は物事の本質はそんなところではないとしていたのではないかと思います。
色がどう変わろうが、見た目が変わろうが、それはあくまでプライベートな話で、本来は自分が作り出す作品が一番重要であり、そこに自分の病気と言うプライバシーを必要以上に介在させることは、逆にマイナスだと思っていたのではないかと思います。
確かに人間ですからありもしないことを憶測で報道される事の怒りや、そんなデマが載った雑誌を簡単に買っては信じる人に失望する事もあったでしょうが、その度に彼はポジティブでいられるように神に祈り、アーティストとして自分の想いを作品に昇華させて、自分をわかろうとしてくれる人やファン達に贈り続けてきたわけです。
どんな不確かなニュースよりも、彼の楽曲に込められた想いのほうがはるかに饒舌だったとわたしは思います。
次回はネバーランドについてお話します。
注:
この記事を最初に書いた時は、MJのvitiligoの症状がわかる動画をUPさせていましたが、やはり病気というのは彼のプライバシーであり、大変デリケートな問題ですので、それを公にする映像を載せることに自分の感覚で違和感を感じましたため、動画は削除させていただきました。
ですので、参考資料としてURLのみ記すことにいたします。
http://www.youtube.com/watch?v=amKqa6hzN9w&feature=related
ご理解下さるようお願いいたします。
これは大きな間違いだと思っています。
「本当に書きたかったことを(2)」と続けて今回の記事をお読みいただければと思います。
彼の肌色の変化は病気によるものです。
尋常性白斑(vitiligo)
MJは「スリラー」で大人気だった頃にはすでにこの病気を発症しています。
これは、肌の色素が免疫異常によりまだらに抜けていく自己免疫疾患です。
最初は斑点状に色が抜け、進行度によってはその抜けた部分が体の大半を占める場合もあります。
この病気には明確な治療法がないそうです。
治療と言うよりも、白斑の進行度合いによって施されるメンテナンスの意味が強い処置がなされるようです。
ひとつは色素回復の処置ですが、これが万人に有効かといえばそうではなく、別の処置で白斑が全身の50%以上に見られる場合におこなわれるものもあるそうで、それは白く抜けた部分と調和させるために、元の肌の色素を抑えるという治療法です。
しかし、これは漂白という事ではありません。
そのため、この病気が与える精神的ストレスは相当なもので、見た目ですぐわかる状態なら尚更ですから、医学的な処置が功をなさない場合、そのような人にメイクによって色を隠す方法は大変有効で、リハビリメイクとして普通に行われるようです。
30年近くマイケルの専属メイクであったカレン・フェイさんも証言しています。
「白斑が広範囲に広がったので、メイクで全身の肌のトーンを揃えなければならなかった」
1993年のオプラ・ウィンフリーショウ(インタビュー番組)では、ネバーランドから生中継で出演したマイケル自らが、この病気を告白します。
そこで語った言葉
「僕はブラックアメリカンです。黒人である事、自分の人種、何者であるかを誇りに思っています。僕は大きな誇りと尊厳を持っています」
オプラのインタビューでマイケルは
「白人になろうとしているなどと言われて傷ついている」
「自分ではコントロールのできない病気なんだ」
「色が変わりだしたのはオフザウォールか、スリラーあたり」
「肌を均一に見せるのに、メイクをしなくてはならないんだ」と語っています。
この病気の患者にとっては、紫外線から肌を守るのは当然のことで、日傘や帽子などで弱くなった肌を太陽から守らねばならないのです。
彼がマスクや日傘を常用しているのは、そのような理由からです。
マスコミは彼が自分の病気を公に告白した事はそっちのけで、正確な情報よりも白いメイクの奇異な印象や、マスクや日傘などは肌を守るための装備としてではなく、マイケルの奇行として報道し続けました。
しかしその後、MJは必要以上に自分の病気をアピールする事はしませんでした。
それがかえってマスコミの過激報道につながったという意見もありますが、彼は物事の本質はそんなところではないとしていたのではないかと思います。
色がどう変わろうが、見た目が変わろうが、それはあくまでプライベートな話で、本来は自分が作り出す作品が一番重要であり、そこに自分の病気と言うプライバシーを必要以上に介在させることは、逆にマイナスだと思っていたのではないかと思います。
確かに人間ですからありもしないことを憶測で報道される事の怒りや、そんなデマが載った雑誌を簡単に買っては信じる人に失望する事もあったでしょうが、その度に彼はポジティブでいられるように神に祈り、アーティストとして自分の想いを作品に昇華させて、自分をわかろうとしてくれる人やファン達に贈り続けてきたわけです。
どんな不確かなニュースよりも、彼の楽曲に込められた想いのほうがはるかに饒舌だったとわたしは思います。
次回はネバーランドについてお話します。
注:
この記事を最初に書いた時は、MJのvitiligoの症状がわかる動画をUPさせていましたが、やはり病気というのは彼のプライバシーであり、大変デリケートな問題ですので、それを公にする映像を載せることに自分の感覚で違和感を感じましたため、動画は削除させていただきました。
ですので、参考資料としてURLのみ記すことにいたします。
http://www.youtube.com/watch?v=amKqa6hzN9w&feature=related
ご理解下さるようお願いいたします。
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